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川島永嗣が「授業中に寝ない」を貫いた理由 「部活と勉強」と、7か国語を話すまで

自身が経験した「英語を教える」という従来の学校教育について疑問を持っている【写真:松橋晶子】
自身が経験した「英語を教える」という従来の学校教育について疑問を持っている【写真:松橋晶子】

“5か国語同時勉強法”を選んだ理由とは? 「自分を飽きさせないことがコツ」

 その勉強法も異端と言っていい。イタリアから帰国後、一気に5か国語の勉強を始めたという。「本屋に行ったら(参考書を)全部、買って帰ってきた」と明かす。「1個やっていると途中でわからなくなるし、そうしたら次の言語……みたいに」。1日1か国語のペースで日替わりで勉強したという。とはいっても、マスターすることは簡単ではない。

「自分を飽きさせないことがコツ。飽きてしまったり、自分ができないと思ったりするから、やめてしまうと思う。自分を楽しませながら、一つの勉強法にこだわらずに続けてみたり。あとは実際に自分ができること、できないことを感じないとモチベーションにならないので、その年の最後に旅行に行って、このくらい話したいという目標を持って計画を立てて勉強していました」

 自力で勉強するほか、忙しい練習の合間を縫って、週1~2日は英会話教室にもイタリア語教室にも通った。こうした努力があって10年にベルギーで海外リーグに初めて挑んだ頃には「言っていることはなんとなく分かり、言いたいことはなんとなく伝えられる」程度になっていたという。ただ、それでも最初は「言葉の壁」を感じるシーンは多々あった。

「チームメートと食事に行って、会話に入って冗談を言う感覚ではないので、そういう時はひたすら聞くだけ。分からないけど、とにかく聞いて笑っているだけ。一番、大きかったのは“分からない”という不安。ベルギーはオランダ語圏なので、GKコーチと他のGKがオランダ語で会話しているのを見ると凄く気にしてしまった。

 分かる苦しみもあるけど、分からないことで不必要なストレスを感じてしまうもの。本来は全然、違うのに『何を話しているんだろう』『自分のことを話しているのか』と思ってしまう。相手が冗談で言っていることを本気で受け取りすぎてしまうこともあった。言葉が本当に分かるようになって、後々感じたことはあります」

 日本人選手の海外進出が当たり前になりつつある昨今。今後の日本サッカーの発展、強化につながる「日本人選手と言葉の壁」については当事者だからこそ、熱い考えを持っている。

「自分は特に、GKなので会話ができないと話にならないけど、それがスタンダードにならなくてはいけない。加えて、日本人が海外に出て行くことは日本を代表していくことになる。そういう意味でも言葉がしっかりと話すことで、その国の文化にしっかりと受け入れられることは凄く大切。今後、日本人がより多く世界に出ていく中でそうなってほしいし、それが日本という国はもちろん、日本サッカーの価値を上げていくきっかけになると思います」

 自身はスポーツを通じて外国語のコミュニケーションスキルを身に付け、多くの日本人が世界を舞台に活躍することをサポートするため、川島永嗣が発起人の1人となりスタートした「グローバルプロジェクト」で英語サッカースクールを手掛ける。だからこそ、自身が経験してきた「英語を教える」という従来の学校教育についても疑問を持っているという。

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