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中3でテニス全国V、父の教えで知った「考える」面白さ 人生を懸ける仕事に導いた部活での経験

限界までやりきった経験が人生を支える

 中学3年の全国大会が終わった時が、一番上手くなっていたと振り返る佐藤さん。ところが、一番試合をしたい時期に、3年生は強制的に引退させられてしまう。

「もしかしたら高校生にも勝てるかもしれないと思えるくらいに上手くなって、今が自分のピークだと思っているにもかかわらず、それ以上試合する場所がないんですね。だから常に試合をする機会があるような場所に行きたいと思ったんです」

 佐藤さんは、ふと何かを思い出したように満面の笑みを浮かべた。

「ライターという仕事は、毎日が試合だから楽しいのかもしれないですね」

 最後に現在、部活動に打ち込んでいる選手へのアドバイスを聞いた。佐藤さんは30秒ほどじっと考えてから、ゆっくりと話し始めた。

「とにかく限界までやりきってみるといいと思います。人生であの日がすごく悔しかったとか、あの日がすごく嬉しかったと明確に思い出せる日は、それほど多くない。私はもうすぐ50歳になるのですが、いまだに勝った日のこと、負けた日のことを思い出すことがあります。スポーツ選手としてプロにならなかったとしても、全力でぶつかった経験があるということは、必ずいつか人生の支えになってくれます」

 そして「負ける経験って、いいですよね」と続ける。

「スポーツをしている人は、全国優勝した人以外は全員負ける経験をしている。悔しさを味わうことも、そこから立ち直る力も、一生の財産だと思います」

■佐藤 友美(さとう・ゆみ)

 ライター・コラムニスト。ソフトテニスのジュニア指導者である父・安藤英明氏のもと、小学3年生から本格的に競技を始め、中学3年時の全国中学校ソフトテニス大会の個人戦で優勝。現在はビジネス書、実用書、教育書等のライティングを担当する一方、様々な媒体にエッセイやコラムを執筆している。著書に『書く仕事がしたい』(CCCメディアハウス)など。安藤英明氏の近著『安藤英明先生の「考えるソフトテニス」』(ベースボール・マガジン社)の構成も担当した。

(山田 智子 / Tomoko Yamada)

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山田 智子

愛知県名古屋市生まれ。公益財団法人日本サッカー協会に勤務し、2011 FIFA女子ワールドカップにも帯同。その後、フリーランスのスポーツライターに転身し、東海地方を中心に、サッカー、バスケットボール、フィギュアスケートなどを題材にしたインタビュー記事の執筆を行う。

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