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高校バスケ2冠・京都精華を導いた校長兼コーチ 「見えない部分の頑張り」貫いた頂点

バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の女子決勝が28日、東京体育館で行われ、京都精華学園(京都)が札幌山の手(北海道)に99-81で勝利し、悲願の初優勝を果たした。昨年は決勝で桜花学園(愛知)に敗れて涙を飲んだが、今年は夏のインターハイに続き2冠を達成。強さの背景には、校長でもある山本綱義アシスタントコーチが説いてきた「地味な、見えない部分をみんなで頑張り抜け」という指導と、それに応えた選手の努力があった。

優勝した京都精華学園【写真提供:日本バスケットボール協会】
優勝した京都精華学園【写真提供:日本バスケットボール協会】

ウインターカップ女子決勝

 バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の女子決勝が28日、東京体育館で行われ、京都精華学園(京都)が札幌山の手(北海道)に99-81で勝利し、悲願の初優勝を果たした。昨年は決勝で桜花学園(愛知)に敗れて涙を飲んだが、今年は夏のインターハイに続き2冠を達成。強さの背景には、校長でもある山本綱義アシスタントコーチが説いてきた「地味な、見えない部分をみんなで頑張り抜け」という指導と、それに応えた選手の努力があった。

 リバウンドの強さが目立った。合計57のリバウンドを奪い、15だった札幌山の手を圧倒した。ナイジェリア出身のセンター、188センチの長身を誇るイゾジェ・ウチェ(3年)が最多の18個を記録したが、決して留学生頼りではなかった。17個の堀内桜花(2年)、11個の八木悠香(2年)の2人が2桁で続いた。

 堀内は167センチと長身ではないが、果敢にゴール下に走り込み、ボールを何度も掴んだ。ウチェ、そして178センチの八木がリバウンドの中心となるが、「相手も2人を警戒して、ボックスアウトを厳しくやってくる。自分がもっとランニングリバウンドを取ることができれば、そこを抑えられたとしても今度は2人が取ってくれる。だから自分も飛び込もうとやってきた」と相乗効果を意識した。

 中高一貫校である京都精華学園で、山本コーチはほとんどの選手を中学から指導してきた。堀内もその1人だ。「校長先生からも、ディフェンス・ルーズ(ボール)・リバウンドは絶対負けないようにしようと言われ、自分たちでも意識してきた。これは今年から言われたわけではなく、中学のときからずっと言われていること」。仮にターンオーバーされても、リバウンドやルーズボールを逃さないことで取り返せる――ずっと指導されてきたことを大舞台で徹底した。

選手に指示を出す京都精華学園の山本綱義アシスタントコーチ【写真提供:日本バスケットボール協会】
選手に指示を出す京都精華学園の山本綱義アシスタントコーチ【写真提供:日本バスケットボール協会】

 中学から見てきた教え子と掴んだ頂点。山本コーチの喜びはひとしおだ。「4、5年という歳月がチームを育て、強固なものにしてくれていると思う。選手たちが苦労に苦労に重ねて毎日努力してくれた。私はその後ろについて歩いていただけだったが、このような素晴らしい結果を引き出してくれた。心から選手たちに感謝したい」と誇らしげに頷いた。

 優勝コメントを考えていなかったと笑う山本コーチは「負けたときには『まだまだ努力せよ、もっと強くなれ』というコメントを考えていたが、優勝させていただいて、いま改めて同じ言葉を申し上げたい」と2冠を達成しても兜の緒を締めた。

 来年はウチェ、柴田柑菜(3年)という柱がいなくなるが、堀内、八木の2年生コンビに加え、1年生の桃井優もスターティング5として決勝の舞台を経験した。最上級生になる堀内と八木は口をそろえて「次は自分がチームを引っ張っていきたい」と誓う。来年も強い京都精華学園が見られそうだ。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)

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