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イングランドが示した王者攻略の方法 菊谷崇「いい手本となる試合。勉強になった」

経験の差が現れた後半、象徴的だったジョーディー・バレットのキック処理

 象徴的だったのは、後半にオールブラックスがトライを取った後の場面です。バレット3兄弟の末弟、ジョーディーがキックをキャッチした後、カウンターを仕掛けて前に突っ込み、イングランドのFLアンダーヒルにタックルされてオフロードパスをミスしました。7点を返した直後なので焦らなくてもいい場面。さらには、まだ試合がどちらに転んでもおかしくない場面。「たら・れば」の話になりますが、あそこでボールをキープしていたら、キックを蹴っていれば、展開は変わっていたかもしれません。

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 実は、その直前にイングランドのキックをキャッチした兄ボーデンは、キックを蹴り返しています。焦らずに陣地をゲインしていこうという兄に対して、焦って前に突っ込んでしまった弟。兄弟でも経験の差が出ていましたね。そもそも、ここ何年もオールブラックスは競った展開のテストマッチを経験したことがなかったはずです。彼らから焦りを引き出したイングランドのディフェンスは、やはり素晴らしいとしか言いようがありません。

 自国開催ながら前回の2015年には決勝トーナメントを逃してしまったイングランドが、エディーさんをHCに迎えてチーム再建にかけた思いは誰もが知るところです。それに対して、W杯2連覇中で世界のトップに立ち続けるニュージーランド。好ゲームになるだろうという前評判通りの最高の試合になりました。そして、イングランドはオールブラックスをはじめとする強豪を倒すための、いい手本となる試合を見せてくれました。ここに至るまで、どれだけ厳しい練習を積み、どれだけ長い時間を費やしてきたか、想像するだけで恐ろしくなりますが(笑)、そのプロセスを差し置いても、本当にいい勉強になる試合でしたね。準備の大切さを思い知らされました。

 気になる決勝ですが、僕は4強が出揃った時から、南アフリカが勝ち進んでくると考えています。ただ、対戦相手が誰になるにせよ、イングランドはニュージーランド戦を目標に2年半も準備を進めてきたわけですから、その達成感と疲労感が決勝にどう影響するか。そこがポイントになると思います。

 両チームが死力を尽くしたイングランド対ニュージーランド。僕は何度でもこの試合を見返せるくらい、最高の試合だったと思います。準決勝1試合、3位決定戦、決勝戦の残る3試合も、好勝負を期待しています。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

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