陸上100mは追い風2.0mでどれだけ速くなる? 元日本代表の実感「0秒15くらいは…」、向かい風に強い選手の特徴とは
愛知・名古屋アジア大会の陸上は、連日熱戦が続いている。今回は32年ぶり3度目の自国開催。「THE ANSWER」はまだ陸上をよく知らないファン向けに、開催地・愛知県で生まれ育った元女子短距離日本代表・市川華菜さんに「今さら聞けない、陸上競技の素朴な疑問」を全7回に分けて聞いた。5回目のテーマは「風」について。

「THE ANSWER 陸上PLUS|INTERVIEW」 今さら聞けない、陸上競技の素朴な疑問Vol.5
愛知・名古屋アジア大会の陸上は、連日熱戦が続いている。今回は32年ぶり3度目の自国開催。「THE ANSWER」はまだ陸上をよく知らないファン向けに、開催地・愛知県で生まれ育った元女子短距離日本代表・市川華菜さんに「今さら聞けない、陸上競技の素朴な疑問」を全7回に分けて聞いた。5回目のテーマは「風」について。
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――陸上は基本的に屋外で行われるので、風にも記録が左右されますよね。
「どのぐらい左右されるかは、人にもよるんですよ。向かい風でも、大きくタイムが変わらない選手もいます。私のイメージでは、ピッチが速い選手は、追い風の時は体が軽い分、かなりいいタイムが出たりします。逆に、パワーがある選手は、向かい風でもあまりタイムが変わらない印象ですね」
――仮に追い風2.0メートルだと、100メートルのトップ選手で、どのくらい速くなる印象ですか?
「もちろん選手のタイプによるので一概には言えないですが、私の場合は、う~ん、だいたい0秒15ぐらい変わるイメージですかね」
――走っている時に、体感で「追い風2.0メートルを超えているな」「追い風参考記録だな」と分かるものなのですか?
「走っている時は分からないのですけど、スタートラインに立った時に、『これ、追い参だ』っていうのは分かります。セットの姿勢の時に、後ろからガンガン強い風が吹いていると、やっぱり分かってしまいますね(笑)」
――「追い風参考記録だ」と思った時の気持ちはどうなのですか?
「これは難しくて、追い参かなと思いつつも、もしかしたら奇跡が起きて、(追い風)2.0メートルで止まるかもって思います。なので、そういう時こそいつも通り全力で走ります」
――追い風2.1メートルだった時の心境は、選手としてはどうですか?
「私、やたらあったのですよね(笑)。前の組が(追い風)1.9メートルで止まっていた時もあったりして。よく『なんで?』とは思いましたけど、こればかりは、自分でコントロールできないですし、仕方ないので、切り替えるしかないですね」
――追い風と向かい風の時で、走り方は変えられるのですか?
「追い風が強い時の競技会では、アップ場でもできるだけ追い風を使って走りますね。普段より少し接地を短めにして、前でさばくようなドリルをやったりはしていました。逆に向かい風の時は、向かい風でアップしました。それで、少し上体を倒し気味にして走る意識はしていましたね」
■市川 華菜 / Kana Ichikawa
1991年1月14日、愛知県豊田市出身。同市・豊南中から陸上を始める。岡崎城西高、中京大を経て、2013年にミズノ入社。五輪は2012年ロンドン大会、世界選手権は2011年大邱大会、2015年北京大会で代表入り。アジア大会には2014年仁川大会、2018年ジャカルタ大会と2度出場した。2017年日本選手権では女子100メートル、200メートルの2冠を達成。2021年に現役を引退。22年春に日本選手権男子100メートルで優勝経験を持つ佐分慎弥さんと結婚。現在は3歳長女の育児に励みつつ、中京大コーチ兼ミズノブランドアンバサダーを務める。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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