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練習中の大谷翔平で話題「どんな効果が?」 胸に着けた“スポブラ”の正体、二刀流が使用する意義とは

ドジャースの練習着姿の大谷(画像はドジャース公式インスタグラムより)
ドジャースの練習着姿の大谷(画像はドジャース公式インスタグラムより)

今集めているデータが今後現れるかもしれない二刀流選手の前例に?

 ところが、先駆者のいない挑戦を続ける大谷の場合は、どこにも「経験則」はない。二刀流は負担が大きいことは容易に想像がつくが、それがどの程度のものなのか。コーチやトレーナーはもちろん、本人にも分からないだろう。ドジャースの入団会見で「あと何年できるか分からないですし」と口にしたが、それは偽らざる本音なのだ。

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 だからこそ、GPSトラッキングシステムによるデータは意味がある。最新のテクノロジーが体への負担や疲労度、故障リスクを予測してくれる。「前例」はなくとも、ある程度の目安にはなるはず。野球が大好きで、常に「プレーしたい」という気持ちが強いが、経験のないコーチでは休ませるタイミングも難しい。しかし、データが故障リスクが高いことを示せば、本人もそれに従って休養をとるだろう。

 今年打者に専念する大谷のデータは、来年二刀流で臨んだときに重要になる。打者のトレーニングに投手のものが加わったらどうなるのか。2つの比較で、よりよい休養の量やタイミングが分かってくるはず。少しでも故障のリスクを軽減し、長く現役を続けるためにも、データをもとに試行錯誤を続けながら調整法を模索していくしかない。

 今集めているデータは、本人にはもちろん、今後現れるかもしれない「二刀流」選手にとっても貴重な「前例」になる。その意味でも、データは貴重だ。大谷にとって「デジタル・ブラジャー」が誰も歩んだことのない道を突き進むための「道しるべ」になる。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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