[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

フィギュアスケートのジャンプの見分け方 初心者でも6種類がわかりやすくなる方法

中野さんが現役時代に取り組んだ「100周スケーティング」とは

――スケーティングのスピードをつけるには何が必要なのでしょうか。

【注目】育成、その先へ 少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信する野球育成解決サイト『First-Pitch』はこちらから

「それはもう、基本的なクロスのスケーティングですね。最近はいろんな選手がクロスからコネクティングステップを組み込んでいると思うので、そのコネクティングステップでも一つ一つをしっかりとスピードをつけて蹴っていく。それが素晴らしかったのはパトリック・チャン選手(カナダ)です。ひと蹴りでどれだけ行くのかと驚くくらい滑っていったので、あれは素晴らしいですね」

――あれは天性のものなのでしょうか。練習でもスピードが上がるのでしょうか。

「天性のものもあるかもしれないですが、もう練習あるのみですね。(チャンは)小さい頃から徹底してスケーティングをやっていたのではないかと思います。小塚崇彦さんも基礎を大切にスケーティングをずっとやっていたので、彼はやっぱりスピードもありますし、ひと蹴りが大きい。もともと、おじいさまから受け継いだ伝統の練習が生きているのだと思います」

――中野さんはどのようなスケーティングの練習を積んでいたのでしょうか。

「信夫先生に教えてもらうまではスケーティングに対して何も考えていませんでした。ただ体が温まる程度のものと思っていたのですが、実際には100周までしないのですが『100周スケーティング』と呼ばれている基礎練習があり、朝一番で氷に乗ったら15分~20分くらいは体が温まってもスケーティングの動作を続けることを毎朝やっていました。それを6年間ほど、先生が見ている間はやっていたかな(笑)

 とにかく、左右ぐるぐるぐるぐる回るんです、前(向き)と後ろ(向き)を何度も何度も。その後はスイングロールなどの足上げや振り上げをやったり、3ターンのステップを踏んだり、本当に基本的なコンパルソリーから派生したようなものを毎朝トレーニングとしてやっていました。そういう動作をスケーティングのうまい方はたくさんやっているのではないかと思います」

――最後に、何か話し足りないことはありますか。

「私はもともとジャンプが得意ではなかったということ。そういう変な癖がついたことによってミスも多く、加点ももらえなかった経緯があります。なので、今のこの時代このルールになった以上、癖がなくて教科書に載っているお手本のようなジャンプを跳んだ方がより高い得点に繋がるというのが事実なので、私がジャンプで成し得なかったことを、競技を今やっている方、これからやられる方に私の分まで頑張ってもらえたらなと思います」

(辛 仁夏 / Synn Yinha)

1 2 3 4

中野 友加里

THE ANSWERスペシャリスト フィギュアスケート解説者

1985年8月25日生まれ。愛知県出身。3歳からスケートを始める。現役時代は女子史上3人目の3回転アクセル成功。スピンを得意として国際的に高い評価を受け、「世界一のドーナツスピン」とも言われた。05年NHK杯優勝、GPファイナル3位、08年世界選手権4位など国際舞台でも活躍。全日本選手権は表彰台を3度経験。10年に現役引退後、フジテレビに入社。スポーツ番組のディレクターとして数々の競技を取材し、19年3月に退社。現在は講演活動を行うほか、審判員としても活動。15年に一般男性と結婚し、2児の母。YouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」も人気を集めている。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集