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正常月経と無月経で同じ練習をしたら… 鈴木明子が「衝撃だった」女子選手の研究結果

質問コーナー「どういう場所があれば、10代で正しい月経の知識を学べた?」

 イベントは最後に質問コーナーを実施。事前に参加者から寄せられていたものに鈴木さんと須永教授が答えていった。

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――鈴木さんも10代の頃は競技優先で正しい月経の知識に出会うきっかけも少なかったと想像します。大人になった今、振り返ってみて、どういう場所、機会があれば、10代で正しい知識を学ぶことできたと思いますか?

鈴木「私自身、生理な体にまつわる知識は、小学校の保健体育レベルのすごく浅いもので終わっていました。おそらく競技によっても体の作り方を含め、若い10代の選手に自分で管理しなさいというのは酷だと思います。なので、先ほど伊藤さんが言ったように選手、指導者、保護者という3つの連携で正しい情報を同じ時に共有する、しかもディスカッションできる場があるといいと思います。生理については友達同士でも躊躇したり、逆に全く壁がなく言える人もいたり、価値観は様々なので。さかのぼれば、それは生きてきた環境によるものだと思います。親や友人がオープンだったなど、置かれた状況で変わってしまうので、一緒に問題を共有できる意識、オープンに話せる環境が重要だと思います」

須永「今の話を聞いて、私は保健体育教員の使命を感じました。私が勤める日体大は中高の体育教諭だけではなく、小学校や養護教諭の免許が取ることができ、スポーツトレーナーになる人も多いです。『体育』は体を動かすだけではなく、健康になるための体の知識を得るための場であることをしっかりと伝えたいです。また、アスリート自身もサポートする側も正しい科学的根拠のある知識を身につけて、食事、トレーニングに取り組むのが自分の身を守るためにも重要だと教育していかなければならないと感じています。私が大学生に月経周期とコンディションについて教育するために作成した小冊子(『はじめての月経コンディショニング学』)が無料でダウンロードできますので、ご利用ください(https://bit.ly/2SZmIO9)」

――トップアスリートに比べ、アマチュア選手、ジュニア選手は低用量ピルという選択肢が取りづらい現状にあると思います。月経痛に対して、スポーツパフォーマンスに影響がないようにするための予防策を教えてもらいたいです。

須永「低用量ピルは婦人科に受診しないと処方されません。婦人科に行くのは中学生や高校生にはハードルが高いと思います。でも、あまりにも痛みが強いのであれば受診してもらいたいです。月経痛が市販の薬で収まるなら、それでもいいと思います。ただ、ドーピングに引っ掛かる薬もあるので、日本スポーツ協会のサイトや、アンチドーピングに関する情報まとまったサイトもあるので確認すること。基本的に『痛い、もうダメだ』と思って飲むのではもう遅いと考えてください。痛み止めの使い方は、月経が始まった、これから痛くなりそうだ、という時に飲んだ方がプロスタグランジンという炎症に関連する物質を止めることできます。痛くなりすぎてから飲むのではなく、早めに飲んでください」

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