喜ぶ侍ナインの背後の客席にチェコ主将も感銘

　野球のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）は21日（日本時間22日）、米マイアミのローンデポ・パークで決勝が行われ、日本が前回王者・米国に3-2で2009年第2回大会以来14年ぶり3度目の優勝を果たした。数々のスポーツマンシップが話題を集めた今大会。侍ジャパンが劇的勝利を収めた後、客席では日本ファンが敗れた相手国のファンとハグを交わしていた。米メディアが動画を公開。チェコの主将も「場外のスポーツマンシップだ」と称賛している。

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　準決勝のメキシコ戦、サヨナラ打の村上宗隆を中心にした歓喜の輪の背後だった。三塁側ベンチの上にいた2人のファン。日の丸を振っていたファンが突如手を止め、隣を向いた。横にはメキシコ国旗柄のグッズを身につけた相手ファン。日本ファンが頭を下げると、相手は肩を叩いて労ったようだ。2人は抱擁を交わしている。

　一連のシーンを収めた動画をツイッターに公開したのは、米ポッドキャストメディア「ジョムボーイ・メディア」。文面に「日本代表の歓喜の輪の背後で、日の丸を掲げていたファンがお辞儀をし、メキシコ代表のグッズを身につけていたファンとハグをしていた。野球は最高だ」と感動した様子を記した。

　国内外のファンから「真の品格を備えた日本のファンだ！」「美しい光景に泣けちゃう」と感涙したコメントが相次いでいたが、1次ラウンドで日本に敗れたチェコ主将ペトル・ジーマもツイッターにこうつづって称賛した。

「フィールド外のスポーツマンシップとフェアプレーが見事に発揮された。インターナショナルな野球がWBCを通じて真の価値を教えてくれた。野球の勝利」

　我を忘れて喜んでいてもおかしくない場面。相手を思いやる敬意は国境を越え、スポーツの魅力を表していた。そんなチェコも日本戦では爽やかなプレーぶりが話題に。試合後にも敬意を払う様子が注目されていた。