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乱立して悩み増大 会費以外で「自分に合うジム」の見分け方、重視すべき点は?

チェックポイントは「トレーナーがどんな質問を投げてくるか?」

 わかりやすい質問を例にお話をしましょう。「お尻はアップしたいけれど、太ももは太くしたくない。どんな筋トレをすればいいですか?」と質問したとします。この場合、トレーナーはお尻への刺激が強く、しかしながら太ももにはできるだけ刺激が少ない種目を提案します(お尻に刺激が入るトレーニングは、すべからく太ももにも刺激が入ります)。「スクワット」「ブルガリアンスクワット」「ランジ」といった種目です。

 そして、トレーナーの指導のもと、1セットトライした後に、チェックポイント。「トレーナーがどんな質問を投げてくるか?」を見ます。

 皆さんはどちらのトレーナーがよいと思いますか? 考えてみましょう。

トレーナーA氏「いかがですか? どんな感じがしますか?」
トレーナーB氏「どうですか? ちゃんとお尻に刺激が入っていますよね?」

 私がおすすめするトレーナーは……「A氏」です。

 まず、なぜB氏はダメなのかを説明します。「具体的に聞いてくれていいじゃないか」という方も多いと思いますが、これは誘導質問にあたります。大抵の人は「あまりお尻に(刺激が)入っていない気がするな」「むしろ太ももに効いている感じがするな」と感じていたとしても、「お尻に入っていますよね?」という聞き方をされた途端、入っているような気がしてきたり、「入っていないのは自分の動き方が悪いためでトレーナーさんに申し訳ない」と考えたりして、「入りました」と答える傾向にあります。

 そして、トレーナー側は「提案した種目が狙ったパーツに効いてほしい」という思いが誘導するような質問に現れてしまう。これは、経験や知識、対応力の不足からの不安や、「自分はこれで効果があったのだから間違いない」という思い込みなどが影響した結果です。

 一方、A氏のような質問の仕方であれば、「ちょっと太ももに刺激がきている気がします……」など、何の先入観もなく、受け手が感じたままを言葉にして伝えることができます。

 また、「お尻より太もものほうの疲労を強く感じたら、遠慮なく言ってくださいね」という方も、とてもいいと思います。初心者のなかには、体で感じていることを表現するのが難しい人もいます。そこで、「お尻」「太もも」と刺激の入りやすい2部位をあげることで、初心者も感じていることを的確に伝えやすくなります。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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