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ひょろい体形に腰痛で不安が… 「バーベルを持たずに鍛える方法」はあるのか

「動作のコントロール能力」を上げることも重要

 例えば、寒い冬の朝は、腰や膝が冷えて固まりやすく、急に動かすと痛みを感じます。でも温めてほぐしたら痛みが消えて楽に動けるようになる。原理はこれとまったく一緒です。まずは腰回りを、ストレッチポールやマッサージボールでほぐし、その後、ストレッチで伸ばします。

 それでも違和感があれば、先にトレッドミルで歩くなどして温めてみる。また、セルフではピンポイントでほぐれない部分が出てくるので、行き届いていない部分を知るためにも、一度、マッサージをしてもらい、硬くなりやすい位置を知っておくといいでしょう。

 筋肉を柔らかくすると、痛みが減り、関節の可動域も広がります。すると体がスムーズに動き、筋肉が十分に伸び縮みするので、筋肉を余すところなく鍛えられます。

 次に動作のコントロール能力です。これは、スクワットの際、正しい姿勢を取り続ける能力を指します。スクワットでは腰椎の生理的な前弯(少しだけ反っている)を保ったまま動くのが正解ですが、しゃがんでいく際、だんだん腰が丸まっていく人が多い。それを防ぐために、「背筋を伸ばしてください」というと、今度は胸を張り、腰が過剰に反ってしまう(前弯増強)。これは女性に多いパターンです。以上のように、スクワット中にアライメント異常を起こし、腰がいい状態に保てないと、腰に余計に負荷がかかり痛みを感じます。

 動作のコントロール能力を上げるには、一度、重りを捨てる勇気が必要です。正しいフォームで丁寧に行うことを第一に考え、自重からスタート。その後、10kgバー、20kgバー、そして2.5kgずつと、少しずつ重量を増やしながらトレーニングを続けます。重量を一気にあげれば、今までと同様、フォームの破綻を招きます。過信しないことが大切です。

 徐々に重量を上げていくと、そのうちどこかで重りに耐え切れず、フォームが破綻する瞬間を迎えます。そこが、あなたが乗り越えるべき、最初のハードルです。フォームが崩れないよう、動きをコントロールし、ほんの少しずつ重量を上げていく。すると、動作のコントロール能力も向上していきますが、体幹の筋力も確実に強くなっていき、正しい姿勢が崩れなくなっていきます。これができた時に、1ステージ上の強い体に、うまく動ける体に成長できます。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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