[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

“ウエイトの筋肉”と“スポーツの筋肉”は違うってホント? 「筋肉論争」の是非

「ウエイトトレーニングで作った筋肉とスポーツで鍛えられた筋肉は違う」。果たして、トレーニング好きの間で度々交わされる筋肉論の是非とは――。柔道全日本男子体力強化部門長であり、現役ボディビルダーとしても活躍する岡田隆氏(日体大准教授)に聞いた。

ウエイトとスポーツで使用する筋肉の違いとは…【写真:Getty Images】
ウエイトとスポーツで使用する筋肉の違いとは…【写真:Getty Images】

トレーニング愛好家に交わされる「筋肉論争」の是非を岡田隆氏に聞いた

「ウエイトトレーニングで作った筋肉とスポーツで鍛えられた筋肉は違う」。果たして、トレーニング好きの間で度々交わされる筋肉論の是非とは――。柔道全日本男子体力強化部門長であり、現役ボディビルダーとしても活躍する岡田隆氏(日体大准教授)に聞いた。

 ◇ ◇ ◇

「ウエイトトレーニングで作った筋肉とスポーツで鍛えられた筋肉は違う」。これは、トレーニングやスポーツ愛好家の間でたびたび上がる、代表的な筋肉論争の一つです。「スポーツ選手の筋肉は使えるが、ビルダーの筋肉は使えない」という話にまで及ぶこともありますが、ウエイトトレーニングで鍛えても野球やサッカーで鍛えても、筋肉は筋肉。問題は、筋肉の発達のアンバランス、また筋肉を使いこなす神経系へのアプローチが不足していないか、という事なのです。

「体を見せる」ボディビルダーと、「体を使って動作する」スポーツ選手の対比で考えてみましょう。両者は鍛える目的が明確に異なります。前者は「見栄え」、後者は「動作パフォーマンスの向上」です。

 究極の見栄えを追求するボディビルダー(以下ビルダー)たちには目指す「体の形」があり、どうやって現状から理想の形に近づけるかを考える。「盛りたい筋肉」「盛りたくない筋肉」を決めて、筋肥大をしたり、いらない脂肪を削ったりしながら形を整えていきます。彼らの体作りは粘土の塊を精密にノミで削っていく「彫刻」のようなイメージです。

 ベンチプレスを例にお話ししましょう。ビルダーがベンチプレスを行う目的は胸の筋肉を盛ることです。彼らは胸を形成する筋肉一つ一つ、あるいは筋繊維一本一本と向き合い、それぞれの筋繊維に沿って鍛えます。鍛えたい筋肉から負荷をかける位置が少しでもズレると、筋肉は狙いどおりの形に肥大しません。そのため、ウエイトを精密にコントロールしながら、正確に同じ動作を繰り返す技術が必要です。

1 2 3

岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集