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笹田夏実さん、トーチキスで母弥生さんの意思継ぐ 元モスクワ五輪代表選手は感無量

東京五輪の聖火リレーは22日、港区立芝公園で聖火を隣の人に移す「トーチキス」が行われ、元体操選手の笹田夏実さんや1980年モスクワ五輪代表だった元選手たちが参加した。

トーチを持つ笹田夏実さん【写真:THE ANSWER編集部】
トーチを持つ笹田夏実さん【写真:THE ANSWER編集部】

モスクワ五輪代表だった母の思い背負い「心待ちにしていた舞台だった」

 東京五輪の聖火リレーは22日、港区立芝公園で聖火を隣の人に移す「トーチキス」が行われ、元体操選手の笹田夏実さんや1980年モスクワ五輪代表だった元選手たちが参加した。

 モスクワ五輪代表は旧ソ連のアフガニスタン侵攻を理由に日本が大会をボイコットしたため、出場できなかった。

 笹田さんはモスクワ五輪体操代表だった母・弥生さん(旧姓加納)の思いを背負ってトーチを手にした。五輪出場の夢がかなわなかった弥生さんは生涯にわたり、体操の普及に貢献。モスクワ代表メンバーの東京五輪聖火リレー参加にも尽力したが、2019年5月に亡くなった。

 ステージではモスクワ五輪体操代表の赤羽綾子さんに聖火をつなぎ、「本当に母は聖火リレーを楽しみにして、体力を落とさないように外を走ったり、心待ちにしていた舞台だった。代役なんですけど私が務めさせていただいて、本当に小さい頃からよく知っている母の友人である赤羽さんに火をつなぐことができてとても光栄でした」と話した。

 弥生さんの気持ちを「あんまり体操のこと以外で言葉をかわすことは少ないですけど、きっとねぎらいの言葉をかけてくれているかと思います」と代弁し、「(トーチは)とても重いよっていうふうに伝えたいと思います」と笑顔を見せた。

 現在は、日本体育大学大学院でコーチの基礎を学びながら後進の指導にあたっている。「器械運動とか部活もそうですし、体操競技で世界に通用する選手も育てていけるようなコーチになりたいと思っています」と夢を膨らませた。

 一方、聖火を受け取った赤羽さんも「ここに笹田弥生さんがいないのが本当に残念なんですが、娘さんもみんなでトーチの火をつなげたということでは非常に感謝と喜びと、その言葉に尽きます」と感無量だった。

 緊急事態宣言下で、沿道を走ることはできなかった。1年延期となり、開催そのものも危ぶまれたこともあった。「ニュースを見るたびにいろんな複雑な気持ちになったり、本当に走っていいんだろうか?っていう気持ちになったこともあるんですけど、それでも平和と五輪のもともとの理念と、そういうものをなんとかつないでいきたいという気持ちではいたので、絶対辞退はしたくなかったし、今日の日を迎えられて本当にうれしいです」と喜びをかみ締めた。

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