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「ちょっと焦げ臭くない?」 カメラマンが気づいた匂いの正体、必死に撮った車いすバスケの魅力

2日まで東京体育館で行われた車いすバスケットボールの天皇杯。決勝では神奈川VANGUARDS(関東ブロック1位)が埼玉ライオンズ(東日本第2次予選1位)に61-41で3連覇を果たした。初めて車いすバスケを生で見たカメラマンは、コートサイドで匂いと風を体感。ゴール裏で見た魅力を伝えたいとシャッターを切った。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

ボールを拾ってエンドラインからパスする埼玉の北風大雅。勢いよく回った車輪は少しブレた【写真:中戸川知世】
ボールを拾ってエンドラインからパスする埼玉の北風大雅。勢いよく回った車輪は少しブレた【写真:中戸川知世】

THE ANSWER編集部・カメラマンフォトコラム

 2日まで東京体育館で行われた車いすバスケットボールの天皇杯。決勝では神奈川VANGUARDS(関東ブロック1位)が埼玉ライオンズ(東日本第2次予選1位)に61-41で3連覇を果たした。初めて車いすバスケを生で見たカメラマンは、コートサイドで匂いと風を体感。ゴール裏で見た魅力を伝えたいとシャッターを切った。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

 異質で、どこか心地よくもある匂いが鼻をついた。1月31日の大会初日。1回戦の撮影へコートに向かうと、アップ中の選手たちが車いすを巧みに動かしていた。キュッ、キュッ。車輪が体育館の床を鳴らす。映像で見たものより、切り返しが速い。車体のぶつかり合いも激しい。見入っていると、あることに気付いた。

「ちょっと焦げ臭くない……?」

 近くで何かが燃えているのか。そう思ったが、車いすが目の前を通った時にわかった。車輪と床の激しい摩擦だ。競技に馴染みの人たちには当たり前かもしれないが、初めての私は速度と力強さに驚かされた。

 試合中、ゴール裏の撮影エリアでそのスピードを目の当たりにした。こぼれ球を追う選手が勢いよくこちらに向かって来る。ボールはコート外へ消えたが、選手は勢いそのまま真っすぐ近づいて来た。「ぶつかる!」。ファインダーから目を離してのけぞった。しかし、必死の自分をよそに選手は事もなげ。十数センチ先をほぼ直角に曲がって戻っていった。

 過ぎ去った1秒後にふわっと風が来た。ひしひしと感じた速さと繊細なコントロール。車いすは制限が多いと思っていたが、選手たちは縦横無尽だった。

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