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かっこいいぜ、八重樫東…懸命に悔いなく、命を燃やした激闘王「練習は死ぬまでやる」

激闘王は、やはり激しく闘った。23日、ボクシングのIBF世界フライ級タイトルマッチ(横浜アリーナ)。元世界3階級制覇王者・八重樫東(大橋)は、王者モルティ・ムザラネ(南アフリカ)に9回2分54秒TKO負けした。946日ぶりの世界戦で日本男子最年長36歳10か月で王座獲得はならず。代名詞通りの激しい拳の応酬には、生き様が凝縮されていた。

八重樫東(左)【写真:荒川祐史】
八重樫東(左)【写真:荒川祐史】

36歳激闘王、世界王座返り咲きへの道「今を生きていきたい」

 激闘王は、やはり激しく闘った。23日、ボクシングのIBF世界フライ級タイトルマッチ(横浜アリーナ)。元世界3階級制覇王者・八重樫東(大橋)は、王者モルティ・ムザラネ(南アフリカ)に9回2分54秒TKO負けした。946日ぶりの世界戦で日本男子最年長36歳10か月で王座獲得はならず。代名詞通りの激しい拳の応酬には、生き様が凝縮されていた。


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 打撃戦がよく似合う。八重樫は戦った。何度強打を受けても、目は死んでいない。4回。相手の連打に上下左右に顔が揺れた。視線が一瞬だけ天を向いた直後だ。ぐっと敵をにらみ返し、両拳をバチンと合わせた。「しゃー!」。気合を入れ直して襲い掛かる。猛ラッシュで反撃した。

 プロ生活15年。培った技術、衰えに抗う肉体、それらを支える誰にも負けない魂。全てを出し切ろうと、拳を繰り出した。「後半自分も(ペースが)落ちると思っていた。正念場だった」。攻撃に出れば出るほど被弾。陣営はストップのタオルを握っていた。

「八重樫はジムに入ってから、今が一番練習をやっている。この年でこんなに動けるのは惚れ直すよね」

 嬉しそうに目を細めていたのは、大橋秀行会長だった。入門時から見守り、世話をしてきた愛弟子。3度の世界王座獲得を見届け、リング上で喜びを分かち合った。年を重ねるほど、噴き出す汗の量が増えていく八重樫。一回り以上も年の離れた選手たちにも劣らないハードなものだった。大橋会長は驚いていた。

「とにかく練習量が凄い。計量前日までウェート、ロードワークをやっている。試合の1日前なんて普通はやらないよ。そんな選手見たことない。年を取って増やしている。普通は減らすのにね。俺なんか27歳で減らしてたからな」

 IBF世界ライトフライ級王者だった17年5月、八重樫は暫定王者ミランメリンド(フィリピン)との統一戦はわずか165秒でTKO負けした。同級では世界最短記録の屈辱。8か月、ジムに行かなくなった。この間、心が空になる感覚を味わいつつ、かすかに残る情熱を感じ、悔いを残さぬために現役続行を決断。休んだ時間を取り戻すように練習に練習を重ねた。

「単純に気合と根性の練習。量と質を意識している。たくさんやって、グタグタになるまでやって、その中で見えたものを見出す。効率が悪いかもしれないけど、そしたらそれまでだし、壊れたらおしまい。ギリギリのところでやるのがボクシングだし、そこまでやらないと意味がない。なんとなくやって強くなった感じで終わるのか、そうじゃないのか。体の練習は死ぬまでやる。

 いつも危機感はある。しっかりやるべきことを見定めているし、練習量は上げないといけない。キープだと落ちる。若い時はちょっとやればいいけど、年をくうと3倍やらないと。やれなくなることが少なるように。パフォーマンスを落とさない量に合わせて上げていっている」

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