「1つ悔いがあるとすれば…」引退目前、残るチャンスは1度きり 日本ハンドボール界のレジェンド2人が悲願へ

プレーオフへ主将「信太さんと甲斐さんを、タイトルなしで引退させるわけにはいかない」
7人でプレーするチームが3人の加入で急に強くなるほどハンドボールは甘くない。「初年度が本当に大変だった」と信太は連敗続きのシーズンを振り返った。チームを率いていたのは元日本代表で信太も甲斐も旧知の横地康介監督。甲斐は「苦しいこともあって、横地監督ともいっぱい話し合った」と明かした。
3人への負担は重くなり、心身の疲労も大きかった。コンディションも崩した。「東京のチームから東京五輪出場」という思いもかなわなかった。それでも翌21年にはCB東江雄斗(32)や土井レミイ杏利(36、引退)らが加入。さらに、22年には現主将のPV玉川裕康(31)やRW元木博紀(34)らが加わった。信太たちの決断が移籍のハードルを下げ、選手の移動が活性化した。
大学からも有力選手を獲得し、いつしか「スター軍団」と呼ばれるようになった。創成期の選手は淘汰され、残るのはLW細川智晃(30)だけ。だからこそ、甲斐は苦楽をともにした仲間に思いを寄せ「次のチームや新しいステージで頑張っている彼らがいたからこそ、今がある。彼らの思いも背負ってやっていかないと」と話した。
信太と甲斐は6年前の加入会見の時「このチームで日本一を」と新天地への熱い思いで言った。信太は大崎電気で4回日本リーグ制覇、ベスト7やプレーオフMVPなど数々の栄光を手にしている。甲斐も18年にトヨタ車体の日本リーグ初優勝に貢献。5回のベスト7や7回のシュート阻止率賞など多くのタイトルを手にした。しかし、目指していたジークスター東京での日本一は果たしていない。
レギュラーリーグの途中、6月12日からのプレーオフを前に引退を発表したのは異例でもあるが、これがチームの起爆剤にもなる。玉川主将は「信太さんと甲斐さんを、タイトルなしで引退させるわけにはいかない」と強い口調で言い、佐藤智仁監督も「最後は優勝して2人を胴上げで送り出したい」と話した。
レギュラーシーズンは残り1試合。3位で終わることが有力で、プレーオフはシードなしで1回戦から3連戦となる。それでも、信太と甲斐のためにチームは1つになる。リーグ参入から6年、チームを引っ張ってきた2人のためにも、ジークスター東京は初優勝を目指す。(荻島弘一)
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)
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