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185分待機も唯一の指名漏れ「…俺、みんなに迷惑かけてるな」 仲間へポツリ、直後に透けた人間性

プロ野球ドラフト会議が23日に都内で行われ、東都大学リーグの青学大は1位指名で中西聖輝投手が中日に、小田康一郎内野手がDeNAに名前を呼ばれた一方、ヴァデルナ・フェルガス投手は最後まで呼ばれず、指名漏れとなった。一昨年、昨年と大学選手権を連覇した名門・青学大で分かれた明暗。ヴァデルナは悔しさに目を赤くしながら、周囲への配慮を見せた。

指名漏れとなった青学大のヴァデルナ・フェルガス(左)【写真:横田美咲】
指名漏れとなった青学大のヴァデルナ・フェルガス(左)【写真:横田美咲】

2025年プロ野球ドラフト会議

 プロ野球ドラフト会議が23日に都内で行われ、東都大学リーグの青学大は1位指名で中西聖輝投手が中日に、小田康一郎内野手がDeNAに名前を呼ばれた一方、ヴァデルナ・フェルガス投手は最後まで呼ばれず、指名漏れとなった。一昨年、昨年と大学選手権を連覇した名門・青学大で分かれた明暗。ヴァデルナは悔しさに目を赤くしながら、周囲への配慮を見せた。

 ドラフト会議開始から2時間以上が経過。育成指名が始まっても名前が呼ばれないヴァデルナは、ソワソワした様子でテレビの目の前に座り続けた。疲労の色も浮かぶ中、ふと後ろを振り返り、チームメートに向かってポツリとつぶやいた。

「……俺、みんなに迷惑かけてるな」

 ドラフト1位で指名された同期の中西と小田はすでに1時間近くの会見を終え、写真撮影も済ませていた。指名を待つのはあと自分一人。「間に合うよ」「諦めるな」と励まし続けてくれる仲間に申し訳なさそうな顔を向けた。

 チームメートの言葉に笑顔を見せ、なんとか明るく振る舞おうとしていたヴァデルナだったが、その目はだんだんと赤くなっていた。両手で頭を抱えたり、口を塞いだり、机に突っ伏したりと落ち着かない様子で待ち続ける。名前が呼ばれぬまま、無情にも全球団が指名終了を宣言した。20時5分。会議が始まった17時から、185分が経過していた。

 悔しそうに一瞬俯いたヴァデルナだったが、すぐに立ち上がって「明日勝とう、明日勝とう」と手を叩き、翌日のリーグ戦に向けて仲間を鼓舞した。重たい空気をなんとか変えようとしたのだろうか。目を腫らしながらも気丈に振る舞う配慮を見せつつ、1人で会見場を後にした。

 身長189センチの長身サイド左腕。日本航空高(山梨)3年夏に甲子園に出場し、2勝を挙げた。大学では2年秋から東都大学リーグで登板。3年時の全日本大学選手権では4試合に救援登板し、8回2/3、6安打5四球6奪三振、自責1の好投で全日本連覇に貢献している。ヴァデルナの今後について、安藤寧則監督は「この後、本人と話し合って決めます」と話すにとどめた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)



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