POで惜敗も…土壇場の衝撃バーディーでギャラリー&選手が感動、木戸愛が実感した亡き父の言葉
国内女子ゴルフツアーの資生堂・JALレディース最終日が6日、神奈川・戸塚CC 西C(6766ヤード、パー72)で開催された。首位から出た35歳の木戸愛(日本ケアサプライ)は、永峰咲希(ニトリ)とのプレーオフ(PO)に敗れて12年349日ぶりのツアー最長ブランク優勝は果たせなかった。だが、正規の最終18番パー4ではPO進出を決める12メートルのバーディーパットを入れ、ギャラリーを大いに沸かせた。

資生堂・JALレディスオープン最終日
国内女子ゴルフツアーの資生堂・JALレディース最終日が6日、神奈川・戸塚CC 西C(6766ヤード、パー72)で開催された。首位から出た35歳の木戸愛(日本ケアサプライ)は、永峰咲希(ニトリ)とのプレーオフ(PO)に敗れて12年349日ぶりのツアー最長ブランク優勝は果たせなかった。だが、正規の最終18番パー4ではPO進出を決める12メートルのバーディーパットを入れ、ギャラリーを大いに沸かせた。
18番で繰り返されたPO3ホール目。木戸は3メートルのパーパットを外すと、天を仰いだ。その後はキャディーの言葉にうなずきながら、永峰のウィニングパットを見届けた。
クラブハウスに向けて歩き出すと、ギャラリーから「ナイスプレー」「すごかったよ」の声援を受けた。クラブハウスでは戸塚CCの職員、関係者は拍手で労をねぎらった。木戸はその度に「ありがとうございます」と頭を下げた。取材陣の前に立って涙を見せず、真っ先にグリーンを外したPO3ホール目の第2打を反省した。
「8番アイアンで(体が)浮いてしまいました。もっと、練習しないといけません。来週からまた頑張ります」
ただ、正規の18番でギャラリーを沸かせたことについては笑みを浮かべ、「『入ったらいいな』と思って打ちましたが、『最後まで頑張ったらいいことがある』ということを実感できました」と振り返った。
まさに、2023年12月11日に亡くなった元プロレスラーの父・木戸修さん(享年73)に言われていたことだった。そして、「お父さんはこの戦いをどう見ていたと思いますか」と問われると、「ずっと『最後は自分でつかんで乗り越えないといけない』と言われてきたので、そうかなと。私は父が今日も見守ってくれていると思ってプレーしていました」としみじみと話した。
正規の18番で見せたジャストタッチのバーディーパットは、まさに女子プロゴルフ史上に残る名場面。PO中も永峰とともに好プレーを繰り返し、応援に駆けつけた堀琴音、櫻井心那、工藤遥加らに「鳥肌が立ってきた」「どっちにも勝ってほしい」と言わしめていた。
そんな木戸も永峰と同じ既婚のミセスプロ。2年前には尾崎将司に弟子入りし、ドライバーの飛距離は約10ヤードアップさせた。進化を続ける35歳は今後も諦めず、2012年7月サマンサタバサレディース以来の2勝目を目指す。父との約束「自分でつかむ」を果たすために。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)