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スター軍団で唯一の「生き残り」がPO敗退に号泣 創設から7年、チームとともに成長した細川智晃のハンドボール人生【リーグH】

「スター軍団」の挑戦が終わった。ハンドボール・リーグHのプレーオフ(PO)準決勝が14日、東京・代々木第一体育館で行われ、レギュラーシーズン(RS)3位のジークスター東京は同2位の豊田合成ブルーファルコン名古屋と対戦。前半16-13とリードしたが、後半の大量失点で27-32と敗れた。2018年のチーム創設から7年、初のリーグ制覇を目指したが、今季もPO準決勝で力尽きた。

試合後に崩れ落ちたジークスター東京の細川智晃【写真:中戸川知世】
試合後に崩れ落ちたジークスター東京の細川智晃【写真:中戸川知世】

ハンドボール・リーグHプレーオフ準決勝

「スター軍団」の挑戦が終わった。ハンドボール・リーグHのプレーオフ(PO)準決勝が14日、東京・代々木第一体育館で行われ、レギュラーシーズン(RS)3位のジークスター東京は同2位の豊田合成ブルーファルコン名古屋と対戦。前半16-13とリードしたが、後半の大量失点で27-32と敗れた。2018年のチーム創設から7年、初のリーグ制覇を目指したが、今季もPO準決勝で力尽きた。

 試合終了と同時に、LW細川智晃(30)はコートに崩れ落ちた。余力を振り絞ってスタンドのファンにあいさつした後は、再びベンチ前にうずくまって号泣。創設メンバー唯一の生き残り、誰よりもチームへの思いが強い背番号7は、他のメンバーから肩をたたかれ、慰められても、立ち上がることさえできなかった。

 序盤から持ち味のスピードを生かし、相手ゴールに迫った。左からのサイドシュート、速攻からゴールを決め、右に回って右からもサイドシュートで得点した。4ゴールはチーム最多だったが、勝負所の終盤で沈黙。「大事なところで決められなかった。ミスもあった。悔しいです……」と言葉を絞り出した。

「引退する同期もいたので…」。号泣の理由を明かした。同い年の高間アミンが今季限りで引退。同じLWとして競い合い、励まし合ってきた仲間は前日の試合で負傷し、この日は松葉づえ姿だった。最後の大会で戦列を離れた高間のためにも勝ちたい、決勝に行きたい。同じポジションの選手離脱で負担は増えるが「体が壊れるまで走ると決めていた」。だから、誰よりも悔しがり、泣き崩れた。

 高間だけではない。PO開幕前、細川は言った。「今回はどうしても勝ちたいし、勝つ自信もあります。みんなのために、みんなの思いを背負って戦いたい」。チーム創設時を知る「生き残り」は、チームの歩みを思い返すように話した。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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