「外国籍に負けない」フィジカルとバスケIQ 名門加入の22歳逸材、プロ4か月で得た進化の糧
バスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースは、2024-25シーズンを18勝42敗、中地区最下位という成績で終えた。前身の東芝時代から多くのタイトルを獲得し、Bリーグ発足後も強豪としての地位を築いていたチームにとっては悔しい結果となったが、苦闘の裏では来季以降につながる希望の光も見えている。新時代の名門を支えるタレント候補の1人が22歳のシューティングガード、山内ジャヘル琉人だ。今春に大東文化大を卒業した若き才能は、Bリーグ1年目のシーズンで34試合に出場。念願だったプロのコートに足を踏み入れ、充実感とともに多くの課題も手にした日々を振り返った。(取材・文=青木 美帆)

Bリーグ川崎・山内ジャヘル琉人インタビュー前編
バスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースは、2024-25シーズンを18勝42敗、中地区最下位という成績で終えた。前身の東芝時代から多くのタイトルを獲得し、Bリーグ発足後も強豪としての地位を築いていたチームにとっては悔しい結果となったが、苦闘の裏では来季以降につながる希望の光も見えている。
新時代の名門を支えるタレント候補の1人が22歳のシューティングガード、山内ジャヘル琉人だ。今春に大東文化大を卒業した若き才能は、Bリーグ1年目のシーズンで34試合に出場。念願だったプロのコートに足を踏み入れ、充実感とともに多くの課題も手にした日々を振り返った。(取材・文=青木 美帆)
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初めてプロバスケットボール選手として過ごした約4か月間、山内ジャヘル琉人の胸は常に充足感と幸福感で満たされていた。
「途中からチームに合流する難しさはありましたが、バスケットについて考える時間がすごく増えて、やっと求めていたものが手に入ったなと思っています。試合に出るためにはどうしたらいいのか。チームに貢献するためにどうしたらいいのか。そういうことを毎日考えられるのが本当に幸せでした」
大東文化大の4年生だった昨年12月末、特別指定選手として川崎に加入。190センチ・96キロ(ウィングスパンは205センチ)という外国籍選手にも見劣りしないフィジカルと身体能力を持つシューティングガードで、2月には日本代表の若手育成キャンプにも招集されている。
シーズン途中から加入した大学生が試合に出ることは簡単ではないが、同じ特別指定選手として同時期に加入した米須玲音と比べると、山内のプレータイムは短かった。加入から1か月ほどが経って迎えた横浜ビー・コルセアーズ戦では、消極的なプレーがミスに繋がり、わずか2分弱でベンチに下げられる経験もした。
落ち込むことも焦ることも、もちろんあった。ただ、山内にとってはバスケットボールを職業とし、バスケットボールを中心に人生が動いていることの喜びのほうが大きかった。
「人によっては『試合に出られなくて辛そうだな』というふうにも見えたかもしれませんが、僕自身はあんまりネガティブに捉えていません。何が足りないかをしっかり理解して『絶対この先にもチャンスがある』と思いながら行動していたし、良い時も悪い時も成長するためにやることを続けようと考えていたので。どういう状態でも幸せっていうか、自分が好きなことを仕事にして応援されることの素晴らしさを感じながら毎日を過ごしていました」