井上尚弥VSカルデナス

　ボクシングの世界スーパーバンタム級（55.3キロ以下）4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が4日（日本時間5日）、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス（米国）との4団体防衛戦に臨み、8回45秒TKO勝ちした。世界戦通算23KOで歴代最多記録を77年ぶりに更新。ただ2回にはダウンを喫したことで、陣営も心臓に“ダメージ”を受けたかのようだった。

　井上は2回、右ストレートを受けて鼻血を出した。終盤には打ち終わりにカウンターの左フックを受け、まさかのダウン。昨年5月のルイス・ネリ戦以来、試合ではアマチュア時代を含めて人生2度目だった。会場は騒然となったが、以降は多彩なパンチで猛攻に出た。7回は右ショート4連発を浴びせ、ダウンを奪取。8回にフラフラの相手を攻め立て、レフェリーストップを呼び込んだ。

　最後はきっちり仕留めたとはいえ、序盤のダウンに“身内”は冷や汗。井上の弟で、前WBA世界バンタム級王者・井上拓真（大橋）はXを更新し「心臓に悪い　とりあえず流石ですわ」と心臓の絵文字をつけて投稿した。

　ジムの大橋秀行会長も、試合直後に撮影したと見られる井上との2ショット写真も公開。「ありがとうございました！心臓が止まるかと思いました」とつづっている。4年ぶりに本場で戦い、世界のファンを熱狂させた井上は30勝（27KO）と無敗をキープ。一方、29歳のカルデナスは26勝（14KO）2敗となった。