サニブラウン「脚がちぎれても走ると考えていた」 3度目の日本一でも「満足できない」
7月のオレゴン世界陸上の代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第2日が10日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。男子100メートル決勝では、9秒97の前日本記録保持者サニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)が10秒08(追い風1.1メートル)の1位。準決勝で参加標準記録10秒05を突破しており、決勝は3位以内に入れば世界陸上代表に内定する条件だった。
陸上・日本選手権
7月のオレゴン世界陸上の代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第2日が10日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。男子100メートル決勝では、9秒97の前日本記録保持者サニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)が10秒08(追い風1.1メートル)の1位。準決勝で参加標準記録10秒05を突破しており、決勝は3位以内に入れば世界陸上代表に内定する条件だった。
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5レーンのサニブラウンは、スタートでやや遅れたものの、中盤でぐんぐん加速。そのまま先頭に立って押し切り、3年ぶり3度目の優勝を飾った。注目された小池祐貴は10秒19で4位、桐生祥秀は10秒27で6位だった。
取材エリアに現れたサニブラウンは「いや~、ちょっとダメっすね」と第一声で苦笑い。「やっぱり30メートルからいいけど、凄い違う感覚がある。トップの人たちの走りは前半で置いていかれたら話にならない。アメリカに帰って強い自分を取り戻したい」と話し、こう続けた。
「普段は速い人たちとやっているので、こんなところで満足できない。楽しくできたし、早く試合が来ないかなと思っていた。いい大会になったと思う。(内定できて)とりあえずはって感じ。行かなきゃ話にならない。チームメートにもプレッシャーをかけられていた。3年前は9秒台を出した後で勢いがあって怖いものがなかった。プロに転向して浮き沈みがあっていろんな経験でつくり上げていくことが大事。こうやって要所で結果が出すのもプロの使命」
この種目で大会前までに参加標準記録を切っていた選手はいなかったが、サニブラウンが9日の準決勝で10秒04(追い風0.8メートル)をマークした。桐生は10秒24の組4着ながら、タイムで拾われてヒヤヒヤの決勝進出。小池は10秒13(ともに追い風0.5メートル)の組1着で決勝に駒を進めていた。
昨年は腰椎ヘルニアに苦しんだサニブラウン。100メートルの出場権を逃した東京五輪は、200メートルを21秒41で予選敗退した。今季は拠点を置く米フロリダなどで3試合を終え、追い風参考2.1メートルながら10秒08の好タイムをマーク。国内初レースの今大会は100メートルに専念した。日本選手権は17、19年の過去2度制し、3度目の栄冠となった。
「いっぱい経験をして成長して、過去の自分より強い選手になりたい。10秒00台と9秒台の感覚はあまり変わらない。真の壁は9秒90。出している選手の数が全然違う。周りを見ても練習から違うし、それがこういう場所で差が出る。今日はとりあえず何があっても走り切ることを考えていた。怪我を乗り越えた自分、脚がちぎれても走ると考えていた」
前年王者の多田修平(住友電工)が10秒41の組6着、前年2位のデーデー・ブルーノ(セイコー)が10秒25(ともに無風)の組3着で敗退する波乱が起きていた。日本記録保持者の山縣亮太(セイコー)は、昨年10月に右膝手術を受けた影響で出場回避。ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)も4月に交通事故に巻き込まれた影響で欠場した。
(THE ANSWER編集部)