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プロテインはジュニア選手も必要? 判断目安は体重「使用は早くても小学校高学年」

「プロテインは必要ですか?」への答えとは

 エルゴジェニックエイドは、完成された体の選手が、さらに上を目指すために摂るサプリメントです。しかし、ジュニア選手の体はまだ、発達途上にあります。スポーツをする体作りを行うことが大切であり、まずは足りない栄養素をしっかり摂ることが最優先です。

 特に多くの方から聞かれるのが「プロテインは必要ですか?」という質問です。答えはケースバイケースになると思います。

 先ほど触れたように、食が細い、アレルギーがあるという理由で、たんぱく質量が足りない選手は、プロテインで補った方がよい場合もあります。それから、今のジュニア用のプロテインは味も飲みやすいので、単純に牛乳の味が苦手で飲めないという選手には、牛乳をおいしく飲んでもらう手段として、プロテインを混ぜることを提案しています。

 また、成長期の子どもは「成長に必要な栄養+運動量で消費した栄養」を摂る必要があります。非常に練習量が多い子どもは、食事だけで必要量を摂るのは難しいケースもみられます。この場合、プロテインドリンクを間食や練習後に取り入れるなど、サプリメントの力を借りるケースもあります。

 さて、プロテインが必要か否かの一つの目安は体重です。身長とともに増えなければいけないところ、体重は変わらない、あるいは減っている場合、栄養が足りていない恐れがあります。

 この場合、まずは1食の食事の量を全体的に増やしたり、間食の回数を増やしたりします。その際、時間や食欲がない場合、肉や魚などのタンパク質食品を補食として持ち歩くことが衛生上困難な場合は、プロテインを検討してみましょう。プロテインの種類は補食代わりになるよう、タンパク質だけではなく、炭水化物も入っているものがおすすめです。

 ただし、プロテインの使用を始めるのは早くても小学生高学年からにしましょう。まれに、「練習後のリカバリーに必要だから」と幼稚園児にもプロテインを渡す方も見かけますが、練習量や体の大きさから考えても必要ありませんし、内臓にも負担がかかる恐れがありますので避けてください。
小学校中学年までは、まずはしっかりと朝、昼、夕の食事を好き嫌いなく食べられるようにすること、そして練習後におにぎりなどの補食を取り入れるだけで、サプリメントがなくても十分、栄養が摂れますよ。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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吉谷 佳代

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

江崎グリコ株式会社で健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球・阪神タイガース、実業団女子バレーボール・JTマーヴェラスのチーム専属栄養士。過去には、シスメックス女子陸上競技部(2015~2020年)、Bリーグ・西宮ストークス(2014~2017年)、自転車ナショナルチーム(2013~2018年)をはじめ多くのプロ選手やジュニア選手の栄養サポート実績を持つ。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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