世界中のスポーツ選手&栄養士が参考に 栄養教育ツール「アスリート・プレート」とは
Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「アスリート・プレート」について。
公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「アスリート・プレート」
Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「アスリート・プレート」について。
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プロ・アマを問わず、アスリートたちが何をどれくらい食べればよいのかの配分を示した栄養教育のツール「アスリート・プレート」。その名の通り、一枚の皿を一食のメニュー表に見立て、穀類・たんぱく源・野菜や果物の割合を示しています。これは、コロラド大学コロラドスプリングス校(UCCS)とUSOC(アメリカオリンピック・パラリンピック委員会)が共同で開発したもので、現在、世界中のアスリートと栄養士が参考にしています。
現在、コロラド大学では、ビーガン・ベジタリアン用の「アスリート・プレート」を作成中。先日、国際的なスポーツ栄養の団体の一つ、PINES(Professional in Nutrition and Exercise and Sport/パインズ)では、開発に携わるコロラド大学健康科学部のナナ・マイヤー准教授等を招き、ビーガン・ベジタリアン用の「アスリート・プレート」、Vegan & Vegetarian Athlete’s Plate🄬が、アスリートの現在のスポーツ栄養の推奨量を満たしているかどうかについて、また、アスリートに応用した結果について紹介するセミナーを開催しました。
オリジナルの「アスリート・プレート」は、低強度、中強度、高強度と、運動強度別に分かれています。開発中の、ビーガン・ベジタリアン版も3段階の強度別に作成。それらに沿った食事が、推奨量を満たすのか否かの検証が行われました。
検証の内容は、一つはVegan & Vegetarian Athlete’s Plate🄬を使った食事を実践し、使い勝手や妥当性についての検討。もう一つは、Vegetarian Athlete’s Plate🄬がアスリートの食事の推奨量に見合っているかどうかです。
食事の実践方法ですが、コロラド大学の運動部の学生がVegan & Vegetarian Athlete’s Plate🄬を使い、キャンパス内のカフェテリアで食事を摂るという方法が採用されました。
学生たちはまず、ベジタリアン・ビーガンの考え方やプラントベースト食との違い、運動強度別に何を増やし、減らせばよいのかといった基本的な知識を学んだうえでスタート。彼らは個々の運動強度に合った「アスリート・プレート」の内容を渡され、それらを参考にしながらカフェテリアのビュッフェで、自分自身で食事のバランスを整えながら料理を選びました。