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世界中のスポーツ選手&栄養士が参考に 栄養教育ツール「アスリート・プレート」とは

参加学生「ベジタリアンやビーガン食を学んだことは大きな気づきに」

 一般的にはアスリートのベジタリアンやビーガンは、栄養不足が懸念されています。しかし、検証の結果、炭水化物と脂質はどの強度も推奨量を満たし、たんぱく質に関しても、中・高強度の食事プランでは目標値を達成。ほか、食物繊維とカルシウムも十分摂れることがわかりました。

 注意事項としては、低強度の場合、中強度や高強度に比べてエネルギー摂取量が少ないため、たんぱく質が推奨量に満たない可能性があること。ビーガン・ベジタリアン食は食物繊維の摂取量が多く満腹感が得られやすいため、十分なエネルギー量が摂取できているか注視する必要があることが上がりました。

 また、ビタミンB12、鉄、亜鉛など推奨量に満たない栄養素があることも事実。これは、動物性たんぱく質を摂らないことによるマイナス点と考えられますが、サプリメントで補う、必要な栄養素を添加した食品を摂るなどの対策が必要、ということです。

 検証に参加した学生たちに行ったアンケートによると、例えば「『高強度』のトレーニングを行った場合、1日(朝食・昼食・夕食)を通して『高強度』に沿った食事をするのか?」といった応用力が必要な場面で苦労したという声はあったものの、9割の選手が「非常に実用的なツール」と回答。59%が「地球環境の保護のためにも、今後も続けたい」と答えたといい、「ベジタリアンやビーガン食を学んだことは、大きな気づきになった」という前向きな声が多かったそうです。

 マイヤー准教授は今回の検証を振り返り、「過去、スポーツ栄養と環境は別々に考えられていたが、健康・パフォーマンスを気遣うアスリートだからこそ、環境や食、地域とのつながりを学ぶことは大切である」とコメントしています。

 マイヤー准教授の言う通り、人一倍、コンディションに気を使うアスリートほど、食べ物の味や栄養、健康との関係はもちろん、口に入る物がいつ、どこで、どのように作られたのか。また、食卓にあがるまでの過程で、環境や気候変動に与える影響について理解を深めることは、選手自身の健康と体づくりに役立つだけでなく、その姿勢がスポーツをする子どもやファン、地域(地元)の人達にも良い影響を及ぼすことにつながる、と考えます。

 コロラド大学の学生は、Vegan & Vegetarian Athlete’s Plate🄬の検証を通じ、スポーツと食を通して環境に目を向けるきっかけを得られました。このことは「自分たちは食を通して何ができるのだろう?」と模索している選手や、チーム関係者にとっても、ヒントになることと感じています。まったく同じことはできなくても、それぞれのチーム、地域にあった方法で、アスリートやスポーツチームが生産者や販売者とつながり、食と健康、環境について理解を深める良い見本になるのではないでしょうか。

 今回のVegan & Vegetarian Athlete’s Plate🄬の検証結果は、近く論文として発表される他、コロラド大学のホームページにビジュアル版のビーガン・ベジタリアン版「アスリート・プレート」が掲載される予定です。ベジタリアンやビーガン食を実践するアスリートは、世界的に増えています。彼らが、何よりエビデンスに基づいた食事を選べるツールができることは、スポーツ界にとって大きなステップだと感じています。

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(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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