2017年WBCで日本と対戦のケンプ「日本の野球がずっと好き」

　野球日本代表「侍ジャパン」の強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」に出場したオランダ代表で、気を吐くのが37歳のドウェーン・ケンプ外野手だ。5日の第1戦ではチーム唯一の安打。2017年にはワールド・ベースボール・クラシックにも出場したベテランの経験を存分に見せている。そのケンプには、キャリアで忘れられない日本人選手がいるのだという。大谷翔平投手（ドジャース）よりも先に名前を挙げるほどだ。何がそれほど印象深かったのか。

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　5日に京セラドーム大阪で行われた強化試合第1戦。0-5で完封負けを喫したオランダ代表で唯一安打を放ったのが「5番・左翼」で先発出場したケンプだった。3番手の左腕・橋本（中日）から左翼フェンス直撃の二塁打。ただ他の2打席は宮城（オリックス）と今井（西武）に抑え込まれ「日本の投手は手強かった。正確に制球してくる。打てる球を見つけないといけない。勝ちたかったね」と悔しそうに漏らした。

　ケンプは内外野を共にこなすベテラン。プレミア12に3大会連続で出場するなど国際大会の経験も豊富だ。オランダが4強入りした2017年のWBCでも代表入り。東京ドームで行われた日本との2次ラウンド第1戦では、元ヤクルト・バレンティンの代走として途中出場した。延長タイブレークの熱戦の末、日本に6-8で惜敗。その激闘から8年経ってもケンプが忘れられないのは、「7番・DH」で5打数1安打だった山田哲人内野手（ヤクルト）だ。

　山田は続くキューバとの第2戦で2本塁打を放つなど活躍。ケンプは「素晴らしい選手だ。彼を見て、プレースタイルやスイング、大きく足を上げるフォームが気に入ったんだ」と振り返る。当時、山田とヤクルトでチームメートだったバレンティンから「彼がどんな選手か、どんな人間かを教えてもらったよ。それから彼のことを追いかけるようになったんだ」と今も注目しているという。

　オランダ代表公式インスタグラムのインタビューでも、「特に印象深い日本人選手」として山田の名を挙げ、「小柄だがパワーが凄い」と絶賛。「オオタニ（大谷翔平）ら、米国でプレーしている選手を選ぶのは簡単。だから、僕はあえてMLBでプレーしたことはないけど素晴らしい選手を選んだんだ。日本の野球がずっと好きだからね」と白い歯を見せた。

　2008年から2年間、カブス傘下のマイナーに在籍した後は、主にオランダ国内リーグで19年プレーしてきた。「残念ながら日本でプレーする機会はなかったけど、日本のプレースタイルは大好きだし、この素晴らしいファンの前でプレーできたら……。チャンスがあれば、ずっと挑戦したいと思っていたよ」と、日本球界への思いも明かした。チームをノーヒット敗戦から救った一打は、念願かなってのものだった。