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引退→ITエンジニア転職は「逆に面白い」 J1札幌元エース、今歩む前例なき第二の人生

現役時代はチームのエースとして活躍し、現在はIT企業で開発に携わっている異色の元Jリーガーがいる。J1コンサドーレ札幌などでFWとして活躍し、2020年に引退を発表した内村圭宏さん。「ワークスタイルの未来を切り拓く」を理念にする名古屋のIT企業「コラボスタイル」に入社し、開発チームの一員として業務に勤しんでいる。

コンサドーレ札幌で活躍した内村圭宏さんはITエンジニアとして第二の人生を歩んでいる【写真:コラボスタイル社提供】
コンサドーレ札幌で活躍した内村圭宏さんはITエンジニアとして第二の人生を歩んでいる【写真:コラボスタイル社提供】

コンサドーレ札幌で活躍した内村圭宏さん、インタビュー前編

 現役時代はチームのエースとして活躍し、現在はIT企業で開発に携わっている異色の元Jリーガーがいる。J1コンサドーレ札幌などでFWとして活躍し、2020年に引退を発表した内村圭宏さん。「ワークスタイルの未来を切り拓く」を理念にする名古屋のIT企業「コラボスタイル」に入社し、開発チームの一員として業務に勤しんでいる。

 元Jリーガーが、セカンドキャリアにITエンジニア職を選択するのは珍しい。指導者としてサッカー界に残る選択肢もあった中で、なぜ前例のない道を選んだのか。前後編でお届けする前編では、引退後の転職活動、現職で奮闘する今に迫る。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

 ◇ ◇ ◇

 2016年11月、コンサドーレファンに“フクアリの奇跡”として語り継がれる試合で、内村さんは主役になった。

「あのゴールは一番覚えています。追い詰められていて、かなりヒリヒリする展開。でも、いい雰囲気でめちゃくちゃ燃えていたし、凄く点を取れそうな予感がしていました。それで、本当に取れて……という感じです」

 千葉・フクダ電子アリーナで行われたJ2第41節のジェフ千葉戦。札幌は首位でこの試合を迎えていたが、負ければJ1自動昇格圏外の3位に転落する可能性もあった。アウェーの地に3000人のサポーターが集まるほど緊張感ある大一番。1点先取されるも追いつき、1-1のまま後半アディショナルタイムに突入した。

 終了時間の目安となるまで残り1分を切ったところだった。自陣からのロングフィードに内村さんが抜け出し、ペナルティエリア内でダイレクトシュート。右足から放たれたボールはGKが伸ばした手をかすめるようにしてゴールに吸い込まれた。土壇場の逆転ゴール。選手、サポーターは皆、我を忘れて歓喜した。

 2-1で勝利した札幌はJ2優勝に王手をかけ、そのまま戴冠。以来、J1で戦い続けている。内村さんは2011年J2最終節のFC東京戦でも2ゴールを挙げてJ1昇格に導くなど、大一番で輝く選手だった。

「(大一番では)体は良い感じで盛り上がっていて、頭はビックリするくらい冷静。そういうシチュエーションが好きなだけかもしれないです。凄くワクワクして燃えますし、結果はたまたまかも知れないけれど、小さい頃から大一番で結果を出してきたので『また来たか』と(笑)」

 札幌では236試合に出場し、59ゴールをマーク。2019年にFC今治で1年を過ごした後、翌20年2月に現役引退が発表された。コーチのオファーもあり、決断すればサッカー界に残れる状況だったが、内村さんが引退後に足を運んだのはなんとハローワークだった。

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