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又吉克樹、新潟で示したプロの引き際「やめなきゃいけない」 8月に引退発表のワケ…後輩に突きつけた“覚悟”

香川時代の又吉。1年限りと決めての挑戦だった【写真:羽鳥慶太】
香川時代の又吉。1年限りと決めての挑戦だった【写真:羽鳥慶太】

成長を生むのは覚悟「プロを名乗るのであれば、忘れないでほしい」

「球団からいる、いらないを言われる前に『これだけできても、やめなきゃいけないんだ』と後輩に示さなければいけないと思ったんです。9月の終わりに、引退しますと言うのは簡単だと思いますよ。でもその間、練習や試合への取り組みを見られる緊張感があるじゃないですか。若い選手が『これでもやめないといけないんだったら、自分はもっとこうしないとダメだよな』と考えるきっかけになるんだったら、もう早めに言ったほうがいいと思ったんです」

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 その言葉通り、最後まで越えるべき壁であり続ける。最後の1球を投げる瞬間まで、練習でも、試合でも進化を模索している。今季はサイドスローには珍しい、ワインドアップからの投球を試してきた。見てわかる大きな変化以外にも、毎日のように変わり続けている。

「やめるから現状維持でいいとは全く思っていません。毎日何かしらブルペンで『こうしてみたらどうだろう』とずっと思ってますし、試してますよ。やめるというメンタルになっているから気づけているのかなというものも、たくさん出てきます。『引退する』『プロ野球から離れる』『現役から離れる』って気持ちの整理がついたから、そこまで気が回って気づけているのかなとね」

 オイシックスの後輩たちにとっても、貴重な学びの時間だ。又吉がマウンドにいる時、バックの野手にジェスチャーで守備位置を指示する姿がよく見られる。さらにバッテリーには「常に会話をしなさい」と言っている。

「自分はこういう投手で、こういう打球が多いからとは伝えてきました。今では何も言わずに内野手が動くようになりましたね。投手の特徴と、捕手が構えた位置を見て、野手が動いておいたポジションに打球がくる。それが成功体験になると、思い切った守備位置も取れるようになる。捕手にも言っています。『この球を投げさせたい時に、どう野手を動かしておけばいいのか』をちょっとずつ学んでほしいと」

 又吉が与えてきたヒントは、NPBのドラフト指名を目指すオイシックスの選手にとって伸びしろでしかない。きっかけさえあれば選手は変われる。又吉はかつての自分と重ねながら、ひとりでも多くの選手にその瞬間を感じてほしいと願っている。

「自分で学ばないと、上にはいけません。オイシックスの選手にも、プロ野球選手という名前がついています。考えに考えて、いろんなことを試して、気づいて発見した選手が、シーズンを経て全然違う選手になっていくんです。伸びしろがなかったらやめるしかない世界ですし、本人の気持ちしだいでいくらでも見つけられると思います。プロを名乗るのであれば、そこは忘れないでほしい」

 蜘蛛の糸のように細い道をたどり、NPBの歴史に残るところまで成長した右腕からのメッセージは、野球に限らず上を目指そうとする選手にきっと響くはずだ。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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