12番人気、単勝4650円の関東馬に◎のワケ 1.4万円→50万円に、ハマった天皇賞・春の「好走パターン」
中央競馬は今週の天皇賞・春から6月の宝塚記念まで7週連続の春G1シリーズに突入する。古馬長距離チャンピオンを決める伝統の一戦を前に、昨冬まで調教を通じてさまざまな視点から過去のG1レースを振り返る企画「調教捜査官の回顧録」を寄稿してきた競馬ライターの井内利彰氏がTHE ANSWERに再登場。「切羽詰まっていた」という2009年、春の盾では自らの調教眼を信じ、好走パターンに合致した12番人気、単勝4650円の関東馬に本命を打つまでのプロセスを明かしてくれた。

2009年に天皇賞・春を12番人気で制したマイネルキッツ
中央競馬は今週の天皇賞・春から6月の宝塚記念まで7週連続の春G1シリーズに突入する。古馬長距離チャンピオンを決める伝統の一戦を前に、昨冬まで調教を通じてさまざまな視点から過去のG1レースを振り返る企画「調教捜査官の回顧録」を寄稿してきた競馬ライターの井内利彰氏がTHE ANSWERに再登場。「切羽詰まっていた」という2009年、春の盾では自らの調教眼を信じ、好走パターンに合致した12番人気、単勝4650円の関東馬に本命を打つまでのプロセスを明かしてくれた。
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私にとって忘れることができないのが、2009年の天皇賞・春。予想、馬券が的中したことはもちろんなのだが、そこに至るまでの過程においても忘れることができない。
出演する「競馬予想TV!」は9月からスタートして、翌年7月の七夕賞までがワンシーズンとなる。2008年も9月から第11シーズンが始まり、月に2~3回というペースで出演させていただいていた。予想レースは2レースもしくは3レース。過去に何週か連続で外れる、回収率が異常に低いということは経験していたが、このシーズンは全く的中がなかった。そこで付けられたニックネームは「ミスターゼロ」。番組としてはこうやっていじるしかなかったのだろうと思うが、さすがにミスターゼロという呼び名はきつかった。
2009年3月。どのレースだったかは忘れてしまったが、予想バトルの最中、一緒に出演していた太組不二雄さんから「だからお前はゼロなんだよ」と罵られる。予想や理論のことを突っ込まれたら返しようもあるが、本当のところを突かれたら、こちらも返しようがない。だけどそこでブチギレてしまい「そんなん、分かってるわ!」と、その場で席を立って太組さんに詰め寄ろうとしてしまった。
後にも先にも、こんな感情的になってしまったのはこの時だけ。予想エンタメ番組で本気でキレてどうするんだよ。本当に情けないことをやってしまったと今でも後悔しているが、当時はそれだけ切羽詰まっていたのかな。