[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

戦力外→2軍球団入りの右腕が絶句「2日前に拳銃を…」 瀧本将生がアフリカの剛腕とつながったワケ

このオフ、米大リーグのドジャースは佐々木朗希投手と国際FA選手として契約した。その裏で、アフリカ・南スーダンの選手と史上初めて契約を結んだこともニュースとなった。この物語の主人公となった17歳のジョセフ・デン投手と、固いきずなで結ばれた選手が日本にいる。今季、プロ野球の2軍イースタン・リーグに参加しているオイシックスに加入した瀧本将生投手だ。地球の反対側といえるほど遠い国との縁は、どこでつながったのか。

瀧本は南スーダンの豪腕・デンとの思い出を笑顔で話す【写真:羽鳥慶太】
瀧本は南スーダンの豪腕・デンとの思い出を笑顔で話す【写真:羽鳥慶太】

南スーダンから初めてMLBと契約したデン、快挙を報告した日本人投手が

 このオフ、米大リーグのドジャースは佐々木朗希投手と国際FA選手として契約した。その裏で、アフリカ・南スーダンの選手と史上初めて契約を結んだこともニュースとなった。この物語の主人公となった17歳のジョセフ・デン投手と、固いきずなで結ばれた選手が日本にいる。今季、プロ野球の2軍イースタン・リーグに参加しているオイシックスに加入した瀧本将生投手だ。地球の反対側といえるほど遠い国との縁は、どこでつながったのか。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

「デンくんについていた通訳の方が『彼は2日前に、拳銃を突き付けられたんだ』と教えてくれたんです。ビックリするしかなかった。そんな思いをして野球をやっているんだと……」

 瀧本は昨春、デンと出会った時のことをこう振り返る。201センチという長身のデンは、内戦を逃れ避難した先のウガンダで野球に出会った。ここは日本の青年海外協力隊が野球を広めている国でもある。縁がつながり、デンは瀧本が当時在籍したソフトバンクのキャンプにやってきた。

 デンに与えられたロッカーは瀧本の目の前で、2人はすぐに仲良くなった。「持ってきたグラブがペラペラで、使いにくいだろうなと思って……」。思わず、自分のグラブをプレゼントした。その時の笑顔が忘れられないまま、2週間ほどで別れの時が来た。

「プレーは荒かったけど、ポテンシャルはすごいなと思いました。身長が高くて……というより、その時はとにかく体が細かった。身体づくりは生活レベルと密接に関係していると思うので、大丈夫なのかな?と思ったりもしました。ただ向上心があったので、人として、話していて楽しかったんです」

 つながったインスタグラムを通じて、その後も連絡を取りつづけた。すると「ドジャースのアカデミーに入った」「マイナー契約した」と驚きの報告が続いた。グラブをもらい喜んでいた少年は、南スーダン出身で初めてMLB球団と契約という快挙で、野球の歴史を変える選手になった。瀧本も「自分は自分ですけど」と言う一方で、デンの歩みに大きく共感できる部分がある。

「史上初ですからね。自分も母校から初めてのプロ野球選手だったんです。レベルが違いすぎますけど、最初の一歩の苦労はわかる。大変でしょうけど活躍してほしいですよね」

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
CW-X
ABEMA 大相撲
Seiko HEART BEAT Magazine
funroots
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集