日曜出勤で娘のゴルフ代を稼いだ母 初V天本ハルカは母子家庭、だから挑戦できた5度のプロテスト
プロテストに4度失敗、結子さん「私はめげそうでした」
だが、プロテストに4度失敗。結子さんは「私はめげそうでした」と正直に振り返るが、本人は諦めなかった。「これが最後」との約束で挑戦した2021年11月、5度目で合格。母子で喜んだ。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
結子さん「もう、その喜びでこの3年間はやっている感じです。今季はオフに『今年は複数回優勝する』と誓い合いました。なので、初優勝は通り道だと思っています」
現在も働く結子さんは、試合に同行できない週もあるが、今週末は会場に駆けつけることができた。天本にとって初の最終日最終組は尾関彩美悠、佐久間朱莉とのペアリング。ともにプロテスト1位で一発合格のエリート。多くのギャラリーが2人に注目していた。2人のプレーが終わると、大勢が歩き出すことの繰り返し。その中、結子さんは右手を挙げて言っていた。
「プレーに入りま~す。止まってくださ~い」
ボランティアスタッフの役回りでもあるが、結子さんは愛娘のために率先して声を出した。優勝が決まった後、スコア提出を終えた娘を見つけて言った。
「良かった。良かった。本当に良かった」
涙はなく、2人で明るく笑い合った。そう、これはゴールではない。全てを分かり合う母子のサクセスストーリーは、これからが本編になる。
(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)