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「日本はテクノロジーの分野でリードすべきだ」 世界的名将が本気で目論む日本ラグビーの革新――エディー・ジョーンズ独占インタビュー

9年ぶりに復帰したラグビー日本代表エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の独占インタビューの最終回。中編に引き続き代表強化のためのアイデアから、日本のスポーツ環境、若手育成についても持論を聞いた。そして、2027年のワールドカップ(W杯)オーストラリア大会へ向けた強化のカレンダー、エディーにとっては因縁の相手イングランド代表との第2次エディージャパン初陣マッチをどう位置付けるのか。熱弁の中に、2次エディージャパンの強化戦略も浮かび上がる。(全3回の第3回、取材・文=吉田 宏)

独占インタビューに応じたエディー・ジョーンズHC、熱弁の中に第2次の強化戦略も浮かび上がった【写真:矢口亨】
独占インタビューに応じたエディー・ジョーンズHC、熱弁の中に第2次の強化戦略も浮かび上がった【写真:矢口亨】

エディー・ジョーンズ独占インタビュー第3回

 9年ぶりに復帰したラグビー日本代表エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の独占インタビューの最終回。中編に引き続き代表強化のためのアイデアから、日本のスポーツ環境、若手育成についても持論を聞いた。そして、2027年のワールドカップ(W杯)オーストラリア大会へ向けた強化のカレンダー、エディーにとっては因縁の相手イングランド代表との第2次エディージャパン初陣マッチをどう位置付けるのか。熱弁の中に、2次エディージャパンの強化戦略も浮かび上がる。(全3回の第3回、取材・文=吉田 宏)

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 昨年12月の就任会見で、エディーは「超速ラグビー」というコンセプトを披露した。第1次エディージャパンも含めて、日本代表は伝統的にスピードを武器にしたチームだ。そのスタイルを、さらに加速するのは容易な事ではない。会見で新指揮官は、選手たちの考える速さ、組織として動く速さも追及したいと語っているが、チームとしてこのようなスピードの上乗せをしていくためには時間もかかるはずだ。

 第1回でも触れたように、HC就任に当たりエディーから日本協会にも強化時間の必要性も提言はしているが、国内リーグのスケジュール、年々重視されてきた選手のウェルフェア(福利厚生)などの影響もあり、指揮官が求める強化時間を100%確保するのは容易ではない。

「(時間との戦いは)あるでしょうね。それはやっていかないといけない。でも、全てにおいて変化し続けないといけないと思っています。時間の制約がある中では、選手側が責任を負うことも多くなっていくと思います。しっかりと選手個々が準備していくことが課せられるのです。福岡合宿でも、そのことを選手には話しています」

 代表チームとしての時間を確保することに制約があるのなら、活動のない時間の中で選手たちがどこまで自分自身を成長させるかが、より重要になるのだ。福岡合宿は、時間の制約の中でいかにセルフマネジメントが重要かを選手に伝え、理解してもらうことも狙いだったという。

「選手は毎日自分自身を伸ばしていかないといけない。12月にサンゴリアスのお手伝いをしていても、(南アフリカ代表、新加入の)チェスリン・コルビはどの日本選手よりも小さいけれども、毎回の練習で、いつも最後までグラウンドにいてハイボールキャッチの練習をしているのです。だから、日本選手もそこまで熱心にやっていかなければいけないのです」

 代表合宿の時間が短ければ、選手が代表としての活動時間外に自分たちを進化させる。同時に、より効率のいい選手強化として指揮官自身が強い関心を持つのがテクノロジーだ。1月のメディアブリーフィングでは、オランダの強豪サッカークラブ・アヤックスが持つ「ディシジョンメークルーム」を1つのアイデアとして挙げていたが、インタビューではさらに踏み込んだ話を聞いた。

「ディシジョンメークルームは、いわゆるバーチャルリアリティーですね。アメフトではクォーターバックの練習に使われています。サッカーでもあるが、ラグビーではまだ使われていない」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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