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「日本選手の未来のため」優勝者に支援金300万円 テニス西岡良仁、現役プロが大会を主催する意義

優勝した川西飛生。決勝では田畑遼と熱戦を繰り広げた【写真:Yoshi’s CUP/長浜功明】
優勝した川西飛生。決勝では田畑遼と熱戦を繰り広げた【写真:Yoshi’s CUP/長浜功明】

3回目を迎えた大会に手応え「5年後、10年後に彼らがどうなっているかが楽しみ」

「モチベーションが上がる」のは、大会を3回重ねる中で挙げた成果にもあるだろう。

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 第1回大会優勝者の松岡隼は、それをきっかけに海外へと進出。昨年のウィンブルドンジュニアなど、海外の大会出場を重ねているのが一例だ。その松岡も今大会を訪れており、彼の姿もまた出場した選手たちのモチベーションになったのではないか。

 大会が継続されてきたことの意義を示すものとしては、優勝した川西も象徴的だ。川西は昨年の第2回大会にも出場しているが、1勝もできずに終えている。昨年から成長した姿を見せたのだ。今大会への意気込みも強かっただろう。

「選手から出たいっていうのが多くなりました。やっぱりこの大会を目指してきましたっていう選手が増えたのが、この大会の今のリアルだと思いますね」

 西岡も、回を重ねてきての手応えを語る。

 テニスでは、プロになる道筋が見えにくいと言われる。西岡自身も、プロテニスプレーヤーとして活躍する今日に至るきっかけとして、小学生の時「修造チャレンジ」に参加したことが大きかったと、これまでに話している。「修造チャレンジ」は松岡修造氏がテニスの普及、ジュニアのバックアップを掲げて行っているものだが、そこで得た体験や知識、気持ちの持ちようなどが今につながっているのだという。

 そうした自身の経験があるからこそ、大会を立ち上げて継続させてきた原動力となっているのだろう。

「(3回やって)ここまでになるというのは全然思っていなかったです。もう本当に1回で終わるものだと思っていたので。本当にテニスの好きな方々が今サポートしてくださっていて、皆さんが『本当にいい大会だね』って終わった後に言ってくれる。やってて良かったなと思いますし、子どもたち、ジュニアたちがプロになった時が一番楽しみで、あと5年後、10年後に彼らがどうなっているかが楽しみで、1人でも2人でも、全員でも、強くなってくれることが運営の喜びで楽しみだと思います」

 ここから羽ばたく選手たちが今後、どのようなプレーを見せるのか。そんな楽しみとともに、今大会も幕を閉じた。

(松原 孝臣 / Takaomi Matsubara)

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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