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王国・静岡復活は「サッカーだけでは届かない」 黄金期を知る澤登正朗、危機感の裏にある決意

子供の運動能力向上も王国復活に不可欠

 ただ、サッカー王国・静岡の復活は、「サッカーだけでは届かない」と澤登は言う。

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「全国の体力テストというのが小中学生であるのですが、全国的な順位で言えば静岡は下のほうなんです。これは、学校教育の問題でもあるのかなと思うんですが、僕は学校や静岡のサッカー、バスケットボール、ラグビーなどのプロチームが一緒になって、スポーツに特化した静岡というのを目指していかないといけないと考えています。静岡県民全体の運動能力が上がっていった先に、サッカー王国の復活が見えてきそうな気がしますね」

 サッカーの盛り上がりだけで言えば、来年に清水と磐田の2チームが揃ってJ1に復帰すれば熱は再燃するかもしれない。だが、県全体の子供の体力の数値を上げていくためには体育の指導も重要だが、外で遊ぶことを奨励し、スポーツができる環境作りや場所の提供を通して、遊びや身体活動に積極的に取り組むことが求められる。長期のプロジェクトになりそうだが、下からの積み重ねがなければ優れた選手は生まれてこない。

 果たして、王国再興への一歩を踏み出せるだろうか。

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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澤登 正朗

サッカー元日本代表 
1970年1月12日生まれ、静岡県出身。東海大一高(現・東海大付属静岡翔洋高)でアデミール・サントスらと活躍し、86年度の高校選手権で初出場初優勝。東海大を経て92年に清水エスパルスに加入すると、リーグ戦35試合7得点を記録し、Jリーグ初代新人王に輝いた。その後も精度の高いキックを武器に10番を背負い、「ミスターエスパルス」として長年にわたって奮闘。99年のJ1リーグ2ndステージ優勝、2000年のアジアカップウィナーズカップ制覇などに貢献した。日本代表16試合3得点。05年の現役引退後は解説者として活躍。13年から常葉大浜松キャンパス(現・常葉大学)サッカー部を指導し、22年から清水エスパルスのユース監督を務めている。【写真:ⒸS-PULSE】

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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