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守った母との約束「大学には行く」 筑波大進学で両立を実現、なでしこ熊谷紗希は足跡を自信に

熊谷は中学時代から文武両道【写真:近藤俊哉】
熊谷は中学時代から文武両道【写真:近藤俊哉】

両親ともに教師の熊谷家で「やるべきこともやりなさい」の教え

 高校生に上がるタイミングで親元を離れ、仙台にある女子サッカーの名門校・常盤木学園を選択。1年次からレギュラーとして活躍すると、いよいよ全国区の選手へ。高校2年生の時に初めてなでしこジャパンに選出され、U-19代表も含めた学校以外の舞台へ活躍の場を広げていく。

「2年生と3年生の時は代表活動もあって忙しかったので、年間100日以上も学校に行けていなかったと思います。その中でも母親と交わした約束を守るために、限られた時間の中で勉強していました」

 約束とは「大学には行く」というもの。両親ともに教師の熊谷家では学業を疎かにすることは許されなかった。常日頃からの教えである「好きなことをやりなさい。好きなことをやるなら、やるべきこともやりなさい」を忠実に守った。

 振り返ってみれば、中学時代に試合を終えたそのままの足で塾へ行くのも珍しくなかった。母親が運転する車でぐっすり眠ってしまい、目が覚めると塾の前。その瞬間は血の気が引いても、やらざるをえない環境に身を置くことで学びの重要性が身体に染み込んでいった。

 高校を卒業して浦和レッドダイヤモンズレディースに加入した2009年、熊谷は同時に筑波大学へ進学する。練習が終わり、電車で2時間弱かけて大学へ。勉強時間は通学中の電車だけ。体力的な負担は大きく、乗り過ごした回数は一度や二度ではない。

 それでも、大学へ通い続ける意味があった。

「私が高校生の時からなでしこジャパンで一緒にプレーしていた安藤梢さんの存在が大きかった。梢さんが筑波大学でトレーニングしていて、その話を聞いていました。大学進学後も一緒に練習できる環境があって、梢さんがドイツへ行ってからは代表チームで顔を合わせるたびにそこでの経験を聞かせてもらいました。プレーもまったく変わっていて、ドイツでプレーするとこんなに変わるのかと驚きました」

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