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W杯まで「まだ7週間ある」 世界最強“2軍”に2連敗も…ラグビー日本代表が見出した光明とは

試合データから見える日本の良い兆候と課題

 データを見ると、アタック時のキックとパスの割合も、オールブラックスXVが1、2戦と大差がなかったのに対して、日本はキック1回に対して6.4回パスしていた第1戦から、第2戦は8.6回とパスを増やしている。重視してきたキックを多用していない。手の内をすべて出し尽くさない試合運びが、数値からも推察できるゲームだった。まだ致命的な突破は許すが、タックル成功率が第1戦の81%から87%に向上(XVの第2戦は85%)しているのは、良い兆候と判断したい。

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 しかし、データの中には、日本の課題もしっかりと示されている。第2戦ではボールキャリー(ボールを持って走った回数)は日本の101、オールブラックスXVの98とほぼ同数に対して、防御を破ったラインブレークは日本が5回、XVは8回と差が出ている。相手ボールを奪い取るターンオーバーも日本が2、XVが5と上回られ、敵陣22メートルライン内に攻め込んだ時のトライ率も、XVの3.1(1回の侵入で平均3.1点を獲得)に対して2.3と得点力で相手に及ばなかった。

 強みの攻撃面ではまだ修正点が多いのは明らかだ。防御も、組織的な完成度という意味では熟成中と、ともに完成度を高めていく必要があるのは間違いない。残されたサモア代表(22日)、トンガ代表(29日)、フィジー代表(8月5日)との3試合で、どこまで仕上げていけるのか。ジョセフHCの「まだ7週間ある」という言葉を信じながら、チームの熟成を試合ごとに確かめていくしかない。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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