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日本人元J監督の「厳しさは称賛に値した」 1989年初来日、ブラジル人コーチの人生変えた出会い

フィジカルに自信があれば「精神的に優位に立てる」

 反町はプロに徹した厳格な監督で、そこは他の監督とは一線を画していたという。

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「プロとして高い要求をして、そこに到達できなければ絶対に試合では使わない。彼の戦術を理解できなければチャンスはありません。この厳しさは称賛に値したと思います」

 エルシオは、フィジカルのスペシャリストとして日本で13、ブラジルでも6つのクラブで指導をしてきた。そして67歳になった現在は、兵庫県淡路島を拠点とする相生学院高校サッカー部で、強化や指導に携わっている。

「フィジカルの強さというのは、メンタルの強さに結びつくんです。相手より走れる。相手をフィジカルで弾き飛ばすことができる。ボールに速く寄りセカンドボールを回収することができる。こういう自信があれば、試合でも精神的に優位に立てるわけです」

 強いフィジカルは、強いメンタルを養い、勝利へと近づくことができる。今でもエルシオは、大好きな日本で未来を担う選手たちに、それを伝え続けている。(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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エルシオ

元Jリーグ・フィジカルコーチ 
1956年2月19日生まれ。ブラジル出身。現役時代はMFとしてポンチ・プレッタやサント・アンドレでプレーし、89年に川崎製鉄サッカー部へ移籍。同年限りで現役を引退すると指導者としてチームに残り、ヘッドコーチや監督を歴任した。93年に横浜フリューゲルスにフィジカルコーチとして加入すると、その後はJリーグや母国ブラジルのクラブを渡り歩いた。特に横浜フリューゲルス時代に選手として指導した反町康治氏(現・JFA技術委員長)の下で何度も仕事をし、アルビレックス新潟、湘南ベルマーレ、松本山雅FCでフィジカルコーチを務めた。昨季はSC相模原でフィジカルコーチを担当し、現在は相生学院高校サッカー部を指導している。

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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