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「東大サッカー部は伸びしろだらけ」 西武キャンプも驚き、走り指導のプロ・秋本真吾の発見

プロ野球・西武の春季キャンプで2つの発見

 最近も、2月にはプロ野球の西武のキャンプで指導。これまでオリックス、阪神でも走りを伝授してきた秋本氏は「一番変わったと感じるのは、野球界でも走りを学習する文化が普通になってきていること」と語る。

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「特に西武は選手だけではなく、チーム全体が学ばないといけないという空気感。松井稼頭央監督が就任し、今年のチームスローガンが『走魂』というくらいなので、その考えが監督からコーチ陣に広がっている印象です。僕も野球の盗塁・走塁については論文などでエビデンスを取り、(野球界で)足が速い選手の走りの動作を研究していますが、コーチ陣もすごく前のめりで、盗塁・走塁に関しても『これ、どうなんですか?』と聞きに来て、学ぶ意識がすごく強かったです」

 興味深い発見が2つあった。「ファームのB班で中村(剛也)さん、栗山(巧)さんという本塁打王と2000本安打のベテラン2人も参加したのですが、40歳に近い中村さん、栗山さんの走り方がとても良かったんです」と明かす。

「身体の使い方がとても上手でした。例えば、陸上は走る時に着地する時間がすごく短く、短い時間で大きい力を発揮させる。言ってみればバッティングと同じで、一瞬で大きい力を出すことでボールが飛んでいく。ピッチングも同じ理屈だと思います。でも、なぜか走りになると長い時間、地面に足がついて力いっぱい蹴り上げるのが野球選手の特徴。『バッティング・ピッチングと走りって、実は同じなんですよ』という話をした時に一番変化があったのが2人でした。

 実際、他の選手にアドバイスしている内容を聞くと『先生(秋本さん)がバッティングと一緒って言っただろ』『いつもバッティングに力が入っているから走りもそうなるんだよ』みたいなことを言う。そういう(論理の)接続がめちゃくちゃ上手。僕が指導している内川(聖一)さん(九州アジアリーグ・大分)もそうでしたが、接続がうまい人が、ただでさえすごい人が集まるプロのトップ・オブ・トップにいるし、長くやっている人ほど身体の使い方も上手いのは発見でした」

 もう一つは、野球選手と心拍の関係にまつわる気づき。「投手の平良(海馬)さんの走りが綺麗なので、聞くと陸上のコーチにすでに走り方を教わっていると。しかも、僕に『走る時の心拍の数値はどう見て生かせばいいですか?』という質問をされました」と驚く。

「今、投手陣が練習でサッカー選手が最近取り入れているハートレート(心拍数の計測機)をつけているんです。コーチに聞いたら、投手も1回投げるだけで心拍が160~170に上がると。緊張状態で投げ続け、しかも満塁とかピンチになると180くらいになる。これは乳酸が出るレベル。具体的な心肺の話をされると、投手陣もランニング系の有酸素トレーニングが必要になる。先発なら9回を投げ切るし、どんなメニューで160から180まで上げるか普段の練習から管理しておいた方が絶対にいい。

 西武のように走りへの意識が高いチームがあることを考えたら、走るメニューの時に何を履くかは超重要です。契約しているメーカーから提供されシューズを履くのは当然かもしれないですが、ターンが多い練習や長い距離を走る練習でどういうシューズを履くのが怪我がなく、理想なのか。結局、シンスプリントやアキレス腱が痛くなる選手もいた。陸上以外のアスリートたちも、シューズからしっかりとした知識を得ることは大事です。それは今回の野球で感じたすごく大きな気づきです」

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