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30年で「10→60」クラブに拡大 Jリーグが変えた日本スポーツ界と地方都市の風景

日本サッカーの新しいシーズンは、前年のリーグチャンピオンとカップウィナーとの対戦から始まる。2月11日に国立競技場で開催された、FUJIFILM SUPER CUP(以下、スーパーカップ)。今年はJ1王者の横浜F・マリノス、そしてJ2ながら天皇杯覇者となったヴァンフォーレ甲府と顔合わせとなった。J2クラブが天皇杯に優勝し、そのままスーパーカップに出場するのは、Jリーグ開幕から30年で初めてである。

新しい国立競技場で初めて開催されたスーパーカップは、6度目の挑戦で横浜F・マリノスが獲得【写真:宇都宮徹壱】
新しい国立競技場で初めて開催されたスーパーカップは、6度目の挑戦で横浜F・マリノスが獲得【写真:宇都宮徹壱】

連載・地方創生から見た「Jリーグ30周年」序章

 日本サッカーの新しいシーズンは、前年のリーグチャンピオンとカップウィナーとの対戦から始まる。2月11日に国立競技場で開催された、FUJIFILM SUPER CUP(以下、スーパーカップ)。今年はJ1王者の横浜F・マリノス、そしてJ2ながら天皇杯覇者となったヴァンフォーレ甲府と顔合わせとなった。J2クラブが天皇杯に優勝し、そのままスーパーカップに出場するのは、Jリーグ開幕から30年で初めてである。

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 試合については、すでに報じられているとおり、2-1で横浜FMが勝利。これまでリーグチャンピオンとして5回、カップウィナーとして1回、スーパーカップに出場している彼らだが、このタイトルを獲得したのは意外にも今回が初めてだった。

 対する甲府は、昨シーズンはJ2で18位ながら、天皇杯ではJ1クラブ相手に5連勝(PK戦含む)で優勝。今回、格上相手の公式戦6連勝とはならなかったものの、カテゴリーの差を感じさせない堂々たる戦いを見せていた。終わってみれば、新しいシーズンを迎えるにふさわしい、好ゲームであったといえよう。

 さて、今年のスーパーカップについて、少し違った視点から語ってみることにしたい。それは何かといえば「Jリーグ30周年」。1993年の開幕から、今年でJリーグは3度目の節目の年を迎える。

 1993年といえば、和暦でいえば平成5年。この年、皇太子徳仁親王と小和田雅子さん(のちの天皇・皇后両陛下)の婚姻が決定し、細川護熙を首班とする連立内閣が発足して自民党が下野し、日本代表が土壇場でワールドカップ出場権を逃した「ドーハの悲劇」もあった。

 そんな1993年の5月15日に、Jリーグは華々しく開幕。あれから今年で30年となる。めでたく思う反面、10年前の20周年とは、明らかな違いも感じるようになった。たとえば、サッカーファン同士の飲み会では「鉄板」だった、この話題。

「1993年の5月15日、あなたはどこで何をしていましたか?」

 実は最近、この手の話があまり通じなくなってしまった。考えてみれば、今の20代はJリーグ開幕の記憶を持たない。平成元年生まれでも、怪しいだろう。1993年5月15日の記憶を共有できるのは、もはや昭和世代のみとなってしまっている。

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宇都宮 徹壱

1966年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、TV制作会社勤務を経て97年にベオグラードで「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」を追う取材活動を展開する。W杯取材は98年フランス大会から継続中。2009年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞した『フットボールの犬 欧羅巴1999-2009』(東邦出版)のほか、『サッカーおくのほそ道 Jリーグを目指すクラブ 目指さないクラブ』(カンゼン)、『蹴日本紀行 47都道府県フットボールのある風景』(エクスナレッジ)など著書多数。17年から『宇都宮徹壱WM(ウェブマガジン)』を配信している。

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