W杯優勝候補が仕掛けた“日本封じ”の罠 欧州遠征2連戦で得た学びと8強突破への宿題
日本代表は秋のヨーロッパ遠征を2戦2敗で終えた。来年9月に開幕するワールドカップ(W杯)フランス大会へ向けた“プレ・イヤー”最後の2試合で世界トップクラスの相手に挑んだが、本大会でも対戦するイングランド(世界ランキング5位)に13-52、W杯開催国フランス(同2位、日本は同10位)には17-35と実力差を見せつけられた。日本代表を知り尽くすイングランド代表エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)、そしてW杯優勝候補のフランスに日本代表の撃退方法を見せつけられた2試合は、同時に桜の戦士たちにとっては来年9月に向けた“宿題”をもらう苦杯でもあった。目標に掲げる2019年日本大会でのベスト8超えのために、ヨーロッパで得た学びとはどんなものだったのだろうか。(取材・文=吉田 宏)
欧州遠征2連戦でイングランドとフランスに完敗
日本代表は秋のヨーロッパ遠征を2戦2敗で終えた。来年9月に開幕するワールドカップ(W杯)フランス大会へ向けた“プレ・イヤー”最後の2試合で世界トップクラスの相手に挑んだが、本大会でも対戦するイングランド(世界ランキング5位)に13-52、W杯開催国フランス(同2位、日本は同10位)には17-35と実力差を見せつけられた。日本代表を知り尽くすイングランド代表エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)、そしてW杯優勝候補のフランスに日本代表の撃退方法を見せつけられた2試合は、同時に桜の戦士たちにとっては来年9月に向けた“宿題”をもらう苦杯でもあった。目標に掲げる2019年日本大会でのベスト8超えのために、ヨーロッパで得た学びとはどんなものだったのだろうか。(取材・文=吉田 宏)
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W杯へ向けた“試金石ツアー”は20日、優勝候補フランスにダブルスコアでの黒星を喫して終えた。渡欧前の東京・国立競技場でのテストマッチで、オールブラックス(ニュージーランド)と31-38の接戦を演じたことで期待感を胸に深夜の中継を観たファンも多かっただろうが、前週のイングランド戦に続き力の差を見せつけられ、結果的に夏のテストマッチから5連敗。しかし、ジェイミー・ジョセフHCは前向きだ。
「フランスも強かったが、フィジカルの部分ではイングランド戦からの反省点をしっかり出せたと思うし、そこでプレッシャーをかけることができたと思う。来年また来ることになるトゥールーズでプレーできたことは、自分たちにとってはプラスになった。ティア1(世界トップ10クラスの強豪国)のチームと試合をすることに慣れておきたかったし、今年はたくさん試合ができた。W杯へ向けていい方向に向かっていると思います」
チームをマネジメントする立場としての指揮官の視線は、来年のW杯本番でいかに戦い、勝てるかをベースにしたものだ。日本にとって有難かったのは、ヨーロッパで挑んだ2チームが、ほぼベストの布陣で臨んでくれたことだろう。イングランドは前週の試合でアルゼンチンに29-30と敗れたことで、日本相手に拙い試合ができなかった。フランスはキーマンのSH(スクラムハーフ)アントワーヌ・デュポンを出場停止で欠き、7月の日本遠征でプレーした若手勢を起用するという情報も一部ではあったが、蓋を開ければ主力で固めてきた。来年のW杯へ向けたフランス国内の盛り上げ、そして熱狂的なラグビーファンがいるトゥールーズでは6年ぶりとなったテストマッチに、1軍半は組めなかったのだろう。