[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

“サッカーに向く性格”はない 海外名将が断言、多様な個性を束ねるのが「監督の役目」

スペインサッカーに精通し、数々のトップアスリートの生き様を描いてきたスポーツライターの小宮良之氏が、「育成論」をテーマにしたコラムを「THE ANSWER」に寄稿。世界で“差を生む”サッカー選手は、どんな指導環境や文化的背景から生まれてくるのか。今回はサッカー選手と性格について。海外トップレベルで指揮した2人の監督の言葉から、強いチームに求められる多様な個性について説いている。

闘争心あふれるプレーを見せる鹿島アントラーズのFW鈴木優磨【写真:Getty Images】
闘争心あふれるプレーを見せる鹿島アントラーズのFW鈴木優磨【写真:Getty Images】

連載「世界で“差を生む”サッカー育成論」:名将が語るサッカー選手と性格

 スペインサッカーに精通し、数々のトップアスリートの生き様を描いてきたスポーツライターの小宮良之氏が、「育成論」をテーマにしたコラムを「THE ANSWER」に寄稿。世界で“差を生む”サッカー選手は、どんな指導環境や文化的背景から生まれてくるのか。今回はサッカー選手と性格について。海外トップレベルで指揮した2人の監督の言葉から、強いチームに求められる多様な個性について説いている。

【注目】本気で野球に挑戦する親子必見! 各分野のプロが動画解説、日本最大級野球スキル動画配信サービス「TURNING POINT」の公式LINEはこちら

 ◇ ◇ ◇

 サッカー選手になるのに、どんな性格がいいか?

 その手の質問をしばしば聞く。

「そんなものはない」

 単刀直入に言うが、それが答えだ。

 もちろん、サッカーは集団社会が基本にあるだけにコミュニケーションを苦にしない性格はベターだろう。その点、協調性は一つのアドバンテージかもしれない。人と関わることが極端に重荷になるようだと、「向いている」とは言えないだろう。組織や規律の中で自分の能力を発揮できる。それは活躍の場を得られることに結びつくはずだ。

 しかしあくまでもアプローチの問題で、従順さや善良さばかりでは強いチームにはならない。

「能力の高い選手はたいてい複雑な性格の持ち主だよ。そういう選手こそ、チームに必要とされる。善良さは悪いことではないが必須ではない」

 名将の誉れ高いフランク・ライカールトは、インタビューでそう話していたことがあった。彼が作り上げた伝説のバルサは、ロナウジーニョを筆頭にサミュエル・エトー、シャビ・エルナンデス、カルレス・プジョル、ビクトール・バルデスなど個性豊かな選手が融合し、若き日のリオネル・メッシ、アンドレス・イニエスタが台頭した。

「監督は善良な選手を探し、チームを作るべきではない。いろんな性格の持ち主を、融合させることが大事。1人はリーダーシップを発揮し、1人は寡黙で従順で、1人は反発心があり、1人は芸術を極める。個性の集まりにダイナミズムを与え、一つに束ねるのが監督の役目。だから、指導者は選手個人の振る舞いに気を配る。練習中、みんなむすっとは良くないが、全員が笑っているのも良くない兆候だ」

1 2 3

小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
スポーツ応援サイトGROWING by スポーツくじ(toto・BIG)
DAZN
福士加代子も使っている。CW-X
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
#青春のアザーカット
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集