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“サッカーに向く性格”はない 海外名将が断言、多様な個性を束ねるのが「監督の役目」

子供の頃と同じように「大人もサッカーを謳歌すべき」

<仲間と共闘する>

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 その精神さえ芯を通っていれば、ワルであっても、あるいはワルだからこそ、チームを助けられる。

 選手として技術や戦術はいくらでも改善できるが、性格はナチュラルなものだろう。つまり、そこで無理に矯正したり、画一化したりしても、結局はどこかで本性が出る。いろんな性格の選手を「共闘」という部分だけを忘れずに、成長させられるか。

 そのさじ加減が、育成の難しさだ。

 繰り返すが、性格には無理に手を入れるべきではない。子供のままナチュラルにいられるかどうか。それがサッカーの世界では大切だ。

「子供時代と同じように、大人もサッカーを謳歌するべきだね。プロになったからといって、子供の時のプレーは再現できない、なんて私にはあり得ない。フットボールに恋するような純真さは手放すべきではないんだよ」

 これはトッテナム、パリ・サンジェルマンなどで指揮を取ってきたアルゼンチン人マウリシオ・ポチェッティーノ監督の教えである。なんと素晴らしい響きだろうか。

「熱狂とはサッカーであり、サッカーとは人生で、人生とは熱狂である。好きこそものの上手なれ、だよ。子供時代、寝食を忘れてボールを蹴ることに夢中になった日々が、サッカー選手を生み出す。『プロになったらお金が関わってくるから、大人にならないと』なんて訳知り顔に言う人もいるが、子供の頃のようにボールを蹴れるから、無限に成長できるんだ」

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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