[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

ラグビー日本代表と初対戦で注目 4年に1度しか見られない「ライオンズ」とは何者なのか

ラグビー日本代表にとって世紀の一戦が近づいてきた。12日のサンウルブズとの強化試合で601日ぶりの実戦を32-17の逆転勝利で突破した新生ジェイミー・ジャパンが、次戦で挑むのはブリティッシュ&アイリッシュライオンズ。英国3協会とアイルランド協会の連合軍は、4年に1度しか編成されず、対戦相手も南半球諸国がほとんどという異色の代表チーム。英国、アイルランドに留まらず世界のラグビーファンを魅了するドリームチームのとは、どのようなチームなのだろうか。(文=吉田宏)

練習に取り組むブリティッシュ&アイリッシュライオンズ【写真:Getty Images】
練習に取り組むブリティッシュ&アイリッシュライオンズ【写真:Getty Images】

26日にスコットランドで対戦、4年に1度しか編成されないドリームチームの実力は?

 ラグビー日本代表にとって世紀の一戦が近づいてきた。12日のサンウルブズとの強化試合で601日ぶりの実戦を32-17の逆転勝利で突破した新生ジェイミー・ジャパンが、次戦で挑むのはブリティッシュ&アイリッシュライオンズ。英国3協会とアイルランド協会の連合軍は、4年に1度しか編成されず、対戦相手も南半球諸国がほとんどという異色の代表チーム。英国、アイルランドに留まらず世界のラグビーファンを魅了するドリームチームのとは、どのようなチームなのだろうか。(文=吉田宏)

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 ◇ ◇ ◇

 おそらく世界で、そしてラグビー史上最も対戦が難しい相手。それがブリティッシュ&アイリッシュライオンズだ。イングランド、スコットランド、ウェールズ、そしてアイルランド各国代表で活躍した選手で4年に1度編成され、遠征先は主にニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの南半球強豪3か国。その3か国でさえ、12年周期でしか対戦できない。真紅のジャージーの胸に縫われたエンブレムには、参画する4か国協会の紋章が組み込まれ、他国代表との対戦はテストマッチと認定される。

 今回は南アフリカ遠征を目的に編成され、6月26日にスコットランド代表の本拠地マレーフィールド(エディンバラ)で行われるウォームアップゲームの相手として、2019年W杯日本大会で躍進した日本代表が指名された。その顔ぶれは、6か国対抗やW杯を盛り上げたスター選手が居並ぶ豪華布陣だ。5月に発表されたメンバー37人はイングランド代表から11人、ウェールズ代表10人、アイルランド、スコットランドからそれぞれ8人。1人平均の代表キャップ数は53を超え、経験値では日本代表遠征メンバーの平均13キャップとは大きく差をつける。

 主将を務めるウェールズ代表148キャップのLOアルン=ウィン・ジョーンズ、イングランド代表SOオーウェン・ファレルらラグビー界のレジェンドが並び、19年W杯で日本と死闘を演じたアイルランド代表SHコナー・マレー、スコットランド代表のエースFBスチュアート・ホッグらも加わる。メンバーの経験値、ポテンシャルで考えれば、日本にとっては過去最強クラスの対戦相手と考えていいだろう。

 日本代表を率いるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチも、「すごく歴史的な試合になる。興奮している選手もいるだろう。私自身は、チームのスターティングポイントになる試合だと考えている」と対戦に胸を躍らせる相手だが、その歴史は1888年にまで遡る。

 イングランドを中心としたメンバーが行った、独立前のニュージーランド、オーストラリア遠征で初めて結成されたと認められている。この遠征では代表チームとの対戦は行われず、地域代表らを相手に各地を転戦。通算27勝6分け2敗という驚異的な成績を残している。ちなみに遠征の第1戦は、ニュージーランドのオタゴ代表を8-3で退けている。現在、日本代表NO8姫野和樹がプレーするハイランダーズの母体となっている地域代表が、初めての対戦相手として歴史に刻まれている。

 しかし、この遠征は選手が所属する各国協会が正式に認めたものではなく、続く1891年の南アフリカ遠征が、初めてテストマッチが行われた第1回遠征と記録されている。ちなみに、この遠征でチームが南アフリカに贈呈した「カリーカップ」が、その後に南アフリカの最強地域代表を争うリーグの勝者に与えられ、現在も国内最強を争うリーグの名称になっている。

1 2 3

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集