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「頭を使え、死ね」 元陸上選手が闘った「アスリートとSNSの誹謗中傷」問題の現実

「アンチの数より応援してくれている人の数が絶対に多いと思っています」と秋本さんは語る【写真:@moto_graphys】
「アンチの数より応援してくれている人の数が絶対に多いと思っています」と秋本さんは語る【写真:@moto_graphys】

驚いた本田圭佑の言葉「自分がいない場所で名前が挙がるっていいこと」

――どんなきっかけだったのでしょうか?

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「あるサッカー選手が僕のネガティブなことを言っていると聞きました。それは結構、傷つきました。仮に僕がその選手のコーチングをして、速くならない、変化もない、それならどんなネガティブなこと言われても仕方ないとは思います。ただ、なんの面識もないのに、それを言うってさすがにショックでしたね。そんな話を僕が走りの指導をしている宇賀神友弥さんと槙野智章さん(ともに浦和レッズ)に話した時のリアクションに驚いたんです。宇賀神さんは『あっきー、いいね!』って……」

――「いいね!」ですか?

「『それって、有名になってきた証拠じゃん』と。槙野さんも同じで『そうだよ。知られているってことじゃん。今まで(スプリントコーチは)全然いなかったのに完全に知名度が完全に上がっているじゃん、いいことだよ』と。それを聞いた時に『この人たちは本当すごいな』と思いました。僕は数人に言われるようなレベルですが、彼らは何千人、何万人から批判を受けるかもしれない世界。本当にトップで戦っている人は違うんだなと思いました。昨年、カンボジア代表の指導で一緒に仕事をした本田圭佑さん(ボタフォゴ)にも『自分がいない場所で名前が挙がるっていいことですね』と言われました。ああ、もうそもそも発想が違うんだなと思って、そういうことでくよくよするのはやめようと思いました」

――彼らが言うと、とても説得力のある言葉ですね。

「僕が面識のないサッカー選手に陰で言われていたことって、僕がどんな人か知らない選手たちからするとなかなか説得力あるなと思うんです。『秋本は指導力なくてダメなんだ』ときっと思うし、それってすごく嫌なことだと結構引きずってました。でも、長年関わってきた僕のコーチングを知っている選手からかけてもらった言葉を聞いて、もうそんなことどうでもいいと思えてきました。僕のコーチングを受けてみて全然ダメだと思ったら何を言われても仕方ないです。僕のことを散々言ってネガティブなイメージを持っている人でも、僕と直接会って話したり、コーチングを見たり、受けてみたらそのネガティブなイメージを逆転できる自信があります。今はそう思えるようになりました」

――その周囲との声との向き合い方は誹謗中傷を受けるアスリートにとっても生きる部分があるように思います。

「格闘家の朝倉未来選手がYouTubeで自分のアンチに会ってみたという企画をやっていますが、陰からだったり、顔を出さずにだったりでボロクソに言っている人も実際に面と向かったら同じことを言う人ってほとんどいないんですよね。直接話したら言いたいことが急に言えなくなるんですよね。僕は結局、アンチの数より応援してくれている人の数が絶対に多いと思っています。全うに生きて、マジメに今やっている競技に向き合っているなら、それは間違いないと思います」

■秋本真吾

 1982年生まれ、福島県大熊町出身。双葉高(福島)を経て、国際武道大―同大大学院。400メートルハードルを専門とし、五輪強化指定選手に選出。当時の200メートルハードルアジア最高記録を樹立。引退後はスプリントコーチとして全国でかけっこ教室を展開し、延べ7万人の子どもたちを指導。また、延べ500人以上のトップアスリート、チームも指導し、これまでに指導した選手に内川聖一(前・福岡ソフトバンクホークス)、荻野貴司(千葉ロッテマリーンズ)、槙野智章、宇賀神友弥(ともに浦和レッドダイヤモンズ)、神野大地(プロ陸上選手)ら。チームではオリックスバファローズ、阪神タイガース、INAC神戸、サッカーカンボジア代表など。今年4月からオンラインサロン「CHEETAH(チーター)」を開始し、自身のコーチング理論やトレーニング内容を発信。多くの現役選手、指導者らが参加している。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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