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「筋肉のつく腸内環境」とは? 元日本代表MFが提唱、世界に対抗するための一つの術

青少年アスリートは「自分のうんちをしっかりとチェックしてほしい」

 概して一般人は、体の調子が悪くなって初めて自分の食事を顧みる。だが育成途上の青少年アスリートは、便を見て食事を意識することを習慣づけていくことが肝要だという。

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「例えば、ご飯に味噌汁、根菜類に魚(肉より)という食事を取るのと、ラーメンにチャーハン、あるいはジャンクフードを比べれば、どちらがバランスが取れているかは明白です。でも分かっていても、ジャンクフードで済ませるしかない時もある。そんな時に自分のうんちを、健康指標としてしっかりとチェックしてほしいんです。手間暇がかからず毎日見られて、体重計に乗るより簡単ですからね」

 よく欧米の選手たちは「肉を食べてきたから体が大きく強くなった」と平然と口にする。しかし鈴木は、腸内細菌を研究し個々に即した食事を突き詰めていくことで、彼らに対抗する術は間違いなく見えてくると考える。

「人種や食生活によって腸内細菌も異なります。また個々の目的に適した食事を探るには、今までの食事やトレーニングの量、あるいはFB比(腸内環境の構成比率で太り易さを表す)などと注意深く見ていかなければなりません。ただアスリートの食事は完璧だと思われがちですが、意外とそうでもないケースも少なくない。目標に向かって正しい頑張り方をする必要があります」

 さらにワールドカップで勝つという目標を定めたとしても、どこに力点を置くのか、戦略的なアプローチも介入してくる。

「体が大きくて足が速ければ、陸上競技の100メートルでは勝てる。しかしサッカーでは絶対要素になりません。逆に連戦を考えれば、回復力を高めれば有利になるという考え方もあります。ただ栄養成分だけで考えれば、単純に肉を食べるなら、たんぱく質、アミノ酸、ビタミンなどを摂取するほうが大事だということが分かってきています」

 今収集し解析しているアスリートのデータは、必ず10年20年先の未来に役立つ――。鈴木は、そう信じている。(文中敬称略)

[プロフィール]
鈴木啓太(すずき・けいた)

1981年7月8日生まれ、静岡県出身。東海大翔洋高校を卒業後、2000年に浦和レッズに加入。攻守を支えるボランチとしてレギュラーの座をつかむと06年のJリーグ優勝、07年AFCチャンピオンズリーグ制覇などのタイトル獲得に貢献した。15年の現役引退まで浦和一筋を貫き、J1通算379試合10得点を記録。日本代表としても28試合に出場した。現在は自ら設立したAuB株式会社の代表取締役を務め、腸内細菌の研究などを進めている。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近東京五輪からプラチナ世代まで約半世紀の歴史群像劇49編を収めた『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』(カンゼン)を上梓。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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