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【One Rugbyの絆】タックルがなく前にパスできる ビーチラグビーが持つ「チェスのような面白さ」とは

ビーチラグビーで日本一になった高村真介さん【写真:本人提供】
ビーチラグビーで日本一になった高村真介さん【写真:本人提供】

ラグビーなのに前へのパスも可能「コートをより立体的に考えないといけない」

 日本各地で競技人口を増やしたビーチラグビーは、1996年には第1回全国大会が開催され、1999年にはジャパンシリーズが始まった。高村さんによれば「2000年頃には全国で延べ1000チームくらいが大会に参加していました」。その大会の模様は、深夜枠ではあったが地上波でテレビ放送されたこともあったという。だが、15人制の人気低迷に合わせるかのように競技人口が減少。「高校、大学、社会人も含め、何かしらラグビーをやっている方が、夏のイベントという形として参加しているんだと思います」と分析するが、今では参加チームは約半数に減ってしまった。

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 ビーチラグビーが持つ魅力を、特に若い世代に伝えていきたい。そう考えている時に「One Rugby」発足の声を掛けてくれたのが、代表理事を務める廣瀬俊朗さんだった。いろいろな形のラグビーが繋がり、広くラグビー界として盛り上げようという趣旨に賛同。日本ビーチラグビー協会に働きかけ、参加する運びとなった。

 タックルなどのコンタクトプレーがないビーチラグビーは、年齢や性別を問わずに楽しめる。大会はハイレベルな勝負が展開される「B1」クラスのほか、楽しさを優先させた「B2」クラス、女子向けの「レディース」があり、年齢別のトーナメントも開催されている。「B1」に参加するチームの中には、上は50代から下は中学生が所属し、さらには男女混成チームもあるという。高村さんは「体育会ラグビー部やトップリーグの選手が来たら勝てるかといったら、そんなことは全然ない。ラグビーをやったことがない細くて速い人が勝つこともあるんですよ」と、その醍醐味を語る。

「夏」「海」という大きなセールスポイントを持つ競技だが、実際にプレーしてみると「チェスのような面白さ」も持ち合わせているという。そこには、5回の攻撃権のうち1回はボールを前にパスしてもいい、というビーチラグビー特有のルールも関係しているようだ。15人制のようなパスワークで敵陣に攻め込みながら、決定的瞬間でボールを前に投げて大胆にゴールを狙うため、ダイナミックな試合展開となる。

「人を動かしながら理詰めで戦う側面もあるのが面白いですね。15人制だと体が大きくて強いのが圧倒的に有利ですけど、ビーチラグビーは大きいだけでもダメだし、速いだけでもダメだし、上手いだけでもダメ。考える力がないと、なかなか勝てません。前にボールを投げられるので、コートをより立体的に考えないといけない。少しバスケに近い部分もあって、あくまでコートにいる選手は5人なんですが入れ替わりは自由。選手の使い方も含めて、15人制とは違った意味で頭を使わないといけないと思います」

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