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【今、伝えたいこと】夏季競技だけじゃないコロナ余波 アイスホッケー鈴木貴人「スポンサー探し大変と…」

影響は大学アイスホッケー界も…「厳しい状況にある」卒業後の進路

 プロの世界ばかりではない。学生にも影響を及ぼしている。

 13年から強豪・東洋大の監督を務める鈴木さん。4月の関東大学選手権が中止となり、3月下旬で活動自粛。大学の施設も閉鎖となった。選手25人は寮生活しているが、いったんチームは解散とし、各自実家に戻り、自主練習の形を取っている。

「オンラインで工夫し、チームでトレーニングしているが、学生の本分は勉強。大学もオンライン授業になっている。経験のないことを私たちも学生たちも経験している。その点で対応できるかの不安はあった」と振り返った。

 特に大きかったのが、進路だ。卒業後もプレーを希望する選手は、関東大学選手権が最後のアピールの場。ここで声がかからなければ、一般就職に道を切り替える学生もいる。鈴木さんによれば「学生にとっては厳しい状況にある」という。

 また、一般就職する学生も、選考スケジュールが変更になったり、面接もオンラインになったり、影響は出た。チームには北海道出身の選手が多く、実家に戻った学生は東京近郊の企業の選考を受ける際には移動が生じることもあるという。

 選手を預かる立場として、鈴木さんは「学生にとって、社会に出て初めて人生がスタートすると常日頃、思っている。この4年間でいろんなものを吸収し、社会人からが本番。就職は大きな分岐点にあるので、心配はある」と明かす。

 一方、送り出す立場ではなく、迎え入れる立場としての課題もある。8月に予定されていた高校の全国高校選抜大会がすでに中止となり、有望選手のリクルートも難しくなり、高校生の進路も課題を感じている。

 こうした問題と日々向き合いながら、指導者として今、できることを模索する日々。「今、一番必要なのはコミュニケーションなんだろうと思います」と言い、コロナ禍の心構えについて明かす。

「すべてが初めての経験。自分一人では処理できないことがあると私も感じるからこそ、コミュニケーションが大切に感じます。その上でオンラインの活用は私自身が勉強になっています。

 移動時間をかけずにできるからこそ、ミーティングの回数が増えているし、オンラインでトレーニングもできる。新たな経験を生かせば、コロナが収束した時にプラスになるんじゃないかと思います」

 ピンチを意識ひとつでチャンスに変える。アスリートらしい思考で、乗り越えようとしている。

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