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「引退する日まで精神安定剤を飲んでいた」 鈴木明子が自ら明かすメンタルヘルス問題

スポーツ界を代表する元アスリートらを「スペシャリスト」とし、競技の第一線を知るからこその独自の視点でスポーツにまつわるさまざまなテーマで語る「THE ANSWER」の連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。元フィギュアスケート五輪代表の鈴木明子さんが「THE ANSWER」スペシャリストの一人を務め、競技に関する話題はもちろん、現役時代に摂食障害を患った経験から、アスリートの健康問題なども語る。

ソチ五輪に出場した鈴木明子さん、この裏で精神安定剤を服用していた【写真:Getty Images】
ソチ五輪に出場した鈴木明子さん、この裏で精神安定剤を服用していた【写真:Getty Images】

「THE ANSWER スペシャリスト論」フィギュアスケート・鈴木明子

 スポーツ界を代表する元アスリートらを「スペシャリスト」とし、競技の第一線を知るからこその独自の視点でスポーツにまつわるさまざまなテーマで語る「THE ANSWER」の連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。元フィギュアスケート五輪代表の鈴木明子さんが「THE ANSWER」スペシャリストの一人を務め、競技に関する話題はもちろん、現役時代に摂食障害を患った経験から、アスリートの健康問題なども語る。

 今回のテーマは「アスリートのメンタルヘルス問題」前編。今年、にわかに注目を浴びることになったスポーツ界の課題。鈴木さんも現役時代は精神安定剤を服用しながら競技に取り組み、謂れのない誹謗中傷に思い悩んだ時期もあったという。前編では現役ラストと位置付けた2013-14年のソチ五輪シーズンに受けた重圧で、葛藤に揺れながらも服用するに至った経緯をありのままに明かした。(構成=長島 恭子)

 ◇ ◇ ◇

 今年、アスリートのメンタルヘルスの問題が注目されました。

「心技体」という言葉があるように、スポーツではこの3つが安定した三角形となって初めて、よいパフォーマンスが発揮できると思います。練習が順調にいけばメンタルも安定し、本番のよいパフォーマンスにつながります。

 でも、体調が悪かったり、ケガをしたりすれば「調整に失敗した」とメンタル面が落ちますし、逆に何もかもがうまくいっているにも関わらず、「本番でミスをしたらどうしよう」と不安がよぎったことで、力や技術を発揮できなくなる場合もあります。

 そして、重要な試合や周りの期待が大きい程、「心技体」をバランスする作業も繊細になります。すると、ひとつの不安がほころびとなり、ちょっとした「良くないこと」がガタガタと崩れてしまう。

 それでも、常日頃から厳しいトレーニングを積み重ねることで、どんなときも調子を大きく崩さず、高いレベルのパフォーマンスを発揮する。それが、トップアスリートといわれる人たちです。

 私自身はどうだったかというと、精神的に安定しているとは言えない選手でした。

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鈴木 明子

THE ANSWERスペシャリスト プロフィギュアスケーター

1985年3月28日生まれ。愛知県出身。6歳からスケートを始め、00年に15歳で初出場した全日本選手権で4位に入り、脚光を浴びる。東北福祉大入学後に摂食障害を患い、03-04年シーズンは休養。翌シーズンに復帰後は09年全日本選手権2位となり、24歳で初の表彰台。10年バンクーバー五輪8位入賞。以降、12年世界選手権3位、13年全日本選手権優勝などの実績を残し、14年ソチ五輪で2大会連続8位入賞。同年の世界選手権を最後に29歳で現役引退した。現在はプロフィギュアスケーターとして活躍する傍ら、全国で講演活動も行う。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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