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NBAやゴルフ選手も実践 脳のパフォーマンス向上、日中の仮眠「パワーナップ」とは

睡眠管理を怠ると悪循環にはまる危険性も

 睡眠は人間の一生に、多大な影響を及ぼす可能性を秘めているという。

「メラトニンという眠りのホルモンの分泌は、3~5歳くらいから高まり8歳をピークに10歳くらいから徐々に減っていきます。メラトニンには性の目覚めを抑える作用もあるので、やがて減り始めると思春期が訪れるわけです。しかし繁華街では、夜の10時を過ぎても幼児を連れて遊んでいる親をよく目にします。人生で最もメラトニンが分泌される時期に夜更かしをしていると、性の目覚めが早まります」

 こうして人生の滑り出しで眠るべき時間に十分な睡眠を確保できていないと、とんでもない悪循環にはまる危険性がある。

「女の子なら初潮が早まり、女性ホルモンのバランスに悪影響を及ぼすこともある。将来的には、女性特有のガンを患うリスクも高まる可能性があります。あるいは男女ともに身長が伸びにくくなり、早い時期から非行に走る可能性も出てきます。これは印象論ではありますが、どの地方へ行っても背の低いヤンキーを見かけるのは偶然ではないと思います」

 翻ってスポーツに取り組む子供に大きな期待を託して多大な投資を続ける親は少なくない。だが今まで見落としがちだった睡眠管理を怠ってしまうと、せっかくの投資が成果を見ないまま終わってしまうリスクが高い。

「睡眠はコンディション管理の中核を占めています。サッカーの日本代表を見ても、健康管理にストイックな吉田麻也選手や長友佑都選手がフル代表に残っているわけで、それは明確な回答だと思います」

 矢野は6月からリトルへイルズとの共同作業で、家族で睡眠についてしっかり学べる教育システムを起ち上げようと考えている。睡眠の啓蒙活動は、そのままスポーツのレベルアップや健康促進に繋がるはずだと信じている。(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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矢野達人

アスリートスリープコーチ(上級睡眠健康指導士) 
総合医療グループで病院や老人ホーム、スポーツジム等の運営に携わると、大阪で睡眠に特化したサロン「快眠ほぐしサロンすいみん」や「スリープクリニック」を運営。一般社団法人オルソスリープアカデミーの代表理事兼代表講師を務め、「アスリートスリープコーチ講座」や睡眠医療から生まれた究極の回復療法「メディカルスリープヘッド講座」を展開する。世界的スリープコーチであるニック・リトルヘイルズ氏と国内独占契約を結んでおり、今春から兵庫県相生学院高校サッカー部のスリープコーチに就任した。

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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