[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

部員ゼロ時代も… なぜ、6人の柔道部が2人のインターハイ出場を掴めたのか

部員数は少ないが、今年の3年生3人は県の上位に位置する実力者揃いであった立教新座【写真:荒川祐史】
部員数は少ないが、今年の3年生3人は県の上位に位置する実力者揃いであった立教新座【写真:荒川祐史】

3大会連続決勝敗退、周囲に「負け癖がついているから勝てない」と言われた日

 1年の冬、2年の夏、そして2年の冬。全国高校選手権、インターハイ出場をかけた大一番で、3大会連続決勝敗退を喫する。“そろそろ勝たないとな”。周囲の叱咤激励もプレッシャーとなり、マイナスに働いた。

【動画】立教新座柔道部の練習風景

「期待に応えたいし、何とかしたくても、決勝になると頭が真っ白になってしまう。リラックスしようとすればするほど力んでいた」(山本)

「本人には『全国に行かないと』、僕には『全国に行かせないと』という重圧がかかっていた」とは中道監督。「本人と話してみて、動きが悪くなる原因はプレッシャーではないかと思うようになりました。3度目に負けたときは周囲から『決勝で必ず負ける選手は、同じ状況で負け試合がフラッシュバックする。負け癖がついているから勝てない』とまで言われ、正直、僕自身も難しいかなと諦めかけました」

 その諦めがいい意味の開き直りにつながった、と中道監督。以前から交流のあったメンタルトレーナーに、心の面の指導をすべて任せてみようと決断。この一手が功を奏した。

「メンタルトレーナーの方には、試合に臨むとき、心をどう持っていけばよいかを学びました。僕は『負けてはいけない』という気持ちになると弱い。だから、決勝の結果については何も考えないこと。そして、負けても人生が終わるわけではない、と自分に言い聞かせることを繰り返しました」(山本)

 最初は半信半疑だったが、地区大会や関東大会の予選の団体戦などで実践すると、気持ちが軽くなった。「これは使える」。山本は変化の手応えを感じた。

 そんな山本を近くでみていたのが、同級生の佐々木だ。「端からみていて、彼も最終学年での心の成長が目覚ましかった」と中道監督は話す。

「センスは抜群、しかし調子の波が大きい選手でした。また試合に負けると、相手選手の戦い方や審判に責任を転嫁するきらいもあった。それが、3年になると、どんな結果も自分自身できちんと受け止められる選手に変わった」(中道監督)

 2年生までの佐々木の戦績は県大会3位がベスト。どうしても決勝にコマを進めることができない状況に「何かを変えていくしかない」と、佐々木は日々の稽古の取り組みから変えたという。

1 2 3 4

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集